tinzei さんの感想・評価
2.8
物語 : 2.0
作画 : 3.0
声優 : 4.0
音楽 : 2.5
キャラ : 2.5
状態:観終わった
『南総里見八犬伝』を学べる作品ではなく、『南総里見八犬伝』を知ってる人が楽しめる作品
約30分×全6話。
『南総里見八犬伝』を忠実に描いた作品。
よくある『八犬伝』を基にした作品ではなく、“おそらく”原作そのまんまの作品。“おそらく”って言ったのは、『八犬伝』に関してアニメの『八犬伝東方八犬異聞』と『神八剣伝』の知識しかなくて、どこまで忠実に再現してるか自分には分からないから。ただナレーションが使う言葉遣いや単語の難しさを聞いてると、原作通りなんだろうな~と思えてくる。
はっきり言って、『八犬伝』を全く知らない人間にとっては物凄く分かり辛い。状況説明や時代設定をナレーションが話すけど、上でも言った通り、言葉が難しすぎて何言ってるか分からないし、作中で出てくる単語や人物名も全く覚えられなかった。
もし『八犬伝』を全く知らない人でこれから観ようとしてる人は、『八犬伝』の知識を入れとくか、細かいとこは諦めて雰囲気で観るのをオススメする。
【各話あらすじ】
1→滝田城に籠城した里見義実は部下で伏姫の想い人の大輔と息子の義成に命じて敵大将安西に奇襲をしかけさせるが、安西は妖術を使って追い返し、大輔は帰ってこなかった。追い詰められた義実は犬の八房に、冗談で敵の大将である安西の首を持ってきたら娘の伏姫をやると言うが、八房は本当に首を持ってくる。伏姫は当主が約束を違えるわけにはいかないと言い、自ら八房と共に山にこもる。その時、母から八つの数珠を渡される。伏姫は八房に体を許さなかったが、何故か体の中に犬の子を宿してしまう。すると生きていた大輔が姫を助けようと撃った鉄砲が姫にもあたってしまう。まだ生きていた姫は大輔との再会を喜ぶが、その後剣で自らの腹を開き、そこから八つの白い玉が出てくる。姫を看取った大輔は姫を弔うため僧になるが、一方八人の剣士が謎の人形兵との戦いから生き延びていた。
2→女性が子供を祈っていると犬に乗った伏姫が現れ女性の体に光を入れる。時が経ち、その女性の夫犬塚番作の息子信乃は婚約者である浜路を助けるため初めて人を斬る。だが浜路の両親は献上品にしようと企む名刀村雨を渡さない番作をよく思わず、信乃と浜路の婚約を無くそうとしていた。ある日、両親が雇っている網干という浪人が一計を企て、信乃が飼ってる犬に怪我をさせられて風に見せ村雨を献上させようとするが、番作は自害して責任を取る。信乃は飼ってる犬を殺すがその中から玉が出てくる。その後信乃は村雨を持って公方に献上するため家を出るが途中網干に父を侮辱される。浜路の母親が小姓のガクスケに命じて、信乃を殺させようとするが、信乃とガクスケが戦った時、二人ともお互いが例の玉を持っていたことに気付く。
3→村雨は浜路の両親が持っていた。実は網干が会った時にすり替えていた。信乃とガクスケは話し合い、ガクスケは自分の名が壮助であることと身の上を話し、斬る気を無くしたため帰る。武士が農民たちと怪しい儀式を行う男犬山道節を狙うが逃げられる。浜路の両親は勝手に縁談を決めてしまい、浜路は首を吊ろうとするが網干が現れ攫って行く。網干が浜路を殺そうとすると、隠れていた道節が現れ邪魔をする。実は道節と浜路は兄弟で、浜路は今の両親の養子だった。しかし網干の術にかかり道節は浜路を斬ってしまい浜路が死ぬ。しかもそこに荘助があらわれ斬り合いになる。その時道節も玉を持ってることが分かる。道節はとりあえず逃げ、荘助は浜路の遺体を持って帰る。
4→浜路の両親は浜路の婚約相手である陣代を呼ぶが、肝心の浜路が見当たらず陣代は怒る。しかも魔物になり周りのものを殺していく。浜路を埋めて弔った荘助は不穏を感じ屋敷に戻り、魔物たちと戦う。道節の入れ違っていた玉のおかげで魔物を倒すが、屋敷の惨状を荘助のせいにされ捕まってしまう。信乃は村雨を献上するため足利公方の部下に謁見し、ついに公方に会うが、村雨は偽物だったため、追われる立場となる。城内で逃げ回っていると、公方の部下は捕まえていた犬飼現八を出し、信乃と戦わせそれを網干が笑って眺めていた。しかし二人が持っていた玉が雷を呼び城は崩れ二人は落ちていく。
5→信乃と現八は現八の知り合いで古那屋という宿屋を営む大男、小文吾に助けられる。小文吾はかつては荒くれものだったが今は改心して、妹と妹の旦那房八とその息子と暮らしていた。現八はすぐに目を覚ましたが、信乃はうなされたままだったが、そんな時小文吾も例の玉を持ってることが分かる。小文吾の妹の夫である房八は、信乃たちがお尋ね者と知ると、彼らを差し出して武士になろうと企む。ある時、公方からの追手が小文吾の宿を囲む。実は房八が密告しており、信乃の首を寄越せと言う。小文吾は仕方なく刀を取り房八と戦い、現八は外で公方の追手と戦う。だが房八が誤って妻を殺してしまい、怒った小文吾は房八の首を飛ばす。房八は信乃に似てたため、公方の追手は房八と分からず、その首を持って帰ってしまう。二人の死体は犬に変わっており、その血で信乃が目覚めていた。小文吾は生き残った男の子の世話をして信乃と現八と今後について話す。
6→荘助は陣代殺しの犯人として拷問を受ける。信乃たちは信乃の故郷大塚村へ帰ることにするが、小文吾は途中二人と別れ生き残った男の子親兵衛を伏姫に似た謎の女性に託す。信乃たちは村の知り合いから、浜路たち一家が死に荘助が下手人になったことと自分と浜路が駆け落ちしたことになっていたと知る。すると荘助の処刑が決まり、信乃は荘助を助ける算段を立てる。信乃と現八は荘助が処刑される前夜、処刑場に忍び込み荘助を助けようとするが荘助を助けることには成功したものの火縄銃に囲まれてしまう。すると後ろから小文吾が現れて、武士たちを処刑場を囲っていた柵で拘束する。四人はその内に逃げるが、そこに網干が現れ、四人を川に流してしまう。