「SPY×FAMILY(TVアニメ動画)」

総合得点
87.4
感想・評価
922
棚に入れた
3044
ランキング
156
★★★★☆ 4.0 (922)
物語
3.9
作画
4.0
声優
4.1
音楽
3.9
キャラ
4.1

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ネタバレ

螺旋常連からくり剣豪 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

コメディは結構ハイレベルだが、シリアスになるとコメディ向きの粗い設定群が牙を剥く。

スパイアクションのジャンルですが、シリアスというよりはコメディ寄りの作品のようです。
ざっと目に付く長所はアーニャが魅力的な点でしょうか。仕草や驚き顔、子供らしからぬ意外と大胆な性格もあってお気に入りのキャラです。この辺りは期待値を大きく超えましたね。

追記
4話まで観ました。

良い点
アクションシーンのレベルは今期随一。
アーニャが可愛い。重い過去を持つゆえの闇を感じさせないくらい表情豊かで実に子供らしいキャラです。
一般受けを狙う作品だとありがちなくどい心理描写が、エスパーのアーニャがいるおかげでフォローされ比較的に無理の無いものに収まっています。
ロイドやヨルの冷徹になりきれない人間臭いところも良いです。
コメディ作品としてのレベルは至高の一言です。

悪い点
コメディに特化しているゆえ、純粋なスパイ作品としてはスパイアクションに特化しているプリンセス・プリンシパルに劣っている感じではあります。
なろうにいそうな露骨な悪役。当然それらのキャラは展開の当て馬にされてそれっきりです。
シリアスなスパイものとして見ようとすると設定にかなり無理がある。
例として
・優秀なスパイという人物設定のロイドがアーニャの他に入学させる子供の候補を用意していない。今でこそロイドに彼女への情が芽生えて有耶無耶になったけど、もしもロイドが冷徹なままであり、アーニャが入れなかったらどうするつもりだったんだろう。
・ロイドとヨルが互いに相手の異様さを感じているのにあまり疑わない。
・たかがアーニャへのプレゼントにロイドが自身の所属する組織を運用したりする。この点は結果的にコメディ作品としてはかなり美味しい話になったので一概に悪いとは言えず、この作品だと良い点に転がっている部分でもある。

これらはコメディ作品ならではの荒唐無稽さがあるこの作品でなければスルーしきれないレベル。

悪い点は多少ありますが、今期覇権と言われるだけの出来ではあります。誰にでもおすすめできる良作です。

最後まで観て。
想像していたのとは違ってほぼギャグ特化だったけどそれなりに面白かったです。ギャグに振り切れている分にはシリアスだと問題点にしかならないツッコミどころ満載の設定が良い方向に転がっていますね。ギャグは好奇心旺盛なキャラであるアーニャ主体で展開されるものが多く、アーニャが好きになれるならギャグを楽しむ分には問題無いと思います。逆に言うと面白さがアーニャ依存なところもあるので、アーニャが嫌いだとキツイかもしれません。
問題は精巧な設定が肝となる場合が多いシリアスシーン。ギャグで見る分には問題無い穴だらけの設定たちが物語の没入を妨げる毒になって牙を剥いてきます。アーニャのエスパーやロイドのスパイの設定は端的に言ってガバガバなので、シリアスになると底の浅さが浮き彫りになります。
アーニャのエスパー能力は常時発動なのかある程度制御できるのか不明瞭。見た限りでは後者の説が有力でしょう。それにしてもふわふわした設定ではあり、特に4話と11話の描写の差異には納得し難いものがありました。4話はパニックで一気に流れてきた心の声にアーニャが疲れてしまう描写がありますが、それが11話だとある種似たような現場である病院で溺れている子供の声をピンポイントで聞くというご都合主義みたいなのが起こっていました。病院には彼の他にも危篤状態の患者がいると思うので流石にこの場面は無理があるかな。未熟なアーニャの精神状態では普通4話みたいに患者たちの苦しみの声を聞いてくたびれそうな気がします。
ロイドは優秀なスパイという設定ではありますが、明らかに戦闘能力が異常なヨルを疑ったりしないその一点だけが本当によく分からない。一応彼女について調べたりはしていますが、それだけであの身体能力の件をスルーするのは疑問が残ります。それ以外はギャグシーンのどたばたで濁しているのであまり気にはなりませんが。
ヨルに関しては戦闘能力以外で暗殺者設定をあまり活かしていない感じが強いです。殺人者というダーティな設定のせいで要らんアンチを増やしているだけになっています。
とまあ、設定は甘いんですがキャラクター面は全体的に視聴者に好かれるように内面はきっちり描かれています。ロイドは自分のような存在を増やさないように人々を守ろうとする信念を一貫させていますし、偽物の家族とはいえ、アーニャとヨルを大事に思う描写も所々で描かれています。アーニャは不器用ではあるんですがロイドとヨルのために頑張ろうとしていますし、ヨルも大事な人たちを守るためならば自分の手を血に染めるのも厭わないという覚悟が感じ取れました。

総じて悪い点はそれなりにはあるんですが、人気になるだけのパワーは感じられましたね。基本的には日常系作品なので鬼滅や呪術よりも話の深みは普通の部類なんですが、キャラクターがジャンプ系列らしく完成されていて、この点は他作品を上回る魅力に繋がっています。

投稿 : 2022/07/01
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サンキュー:

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