Jeanne さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
結末が分かっているからこそ先を見るのが辛い
全11話
「けいおん」や「聲の形」の監督で知られる元京アニの山田尚子監督作品。
原作は中学生の時に国語の時間で暗記させられた記憶はありますが、内容は全く覚えていません。
平家に父親を殺されたびわは色々あって平家の屋敷に住むことになる。びわは将来を見ることができる目を持っており、平家が滅びる未来を見る。
平家の全盛期から滅亡までを描いた作品です。
私も含めて視聴者の大半は平家が源氏に滅ぼされるという歴史的事実を知っているので、びわと同じ目線で平家が滅亡するまでを追っていくことになります。
滅びること(皆死ぬこと)を知っているからこそ日常のシーンは見ていて憂鬱な気持ちになりました。
平家の人々は個性豊かでいいキャラが多かったので、余計に感情移入しながら見てしまいました。
特に、普段はびわと衝突していますが、平家が滅びるのも近いと感じ追い出す形でびわを平家から遠ざけた資盛は格好良かったです。
びわは将来何が起こるか分かっているのに何もできない自分に不甲斐なさを感じていますが、母親と再会し母親が自分のために祈っていたという話を聞いて、祈りを捧げこの出来事を後世に残すのが使命だと前向きに考えるようになります。
そのように考えることで以前よりも達観しているびわを見るのはどこか寂しさを感じました。
声優、作画、キャラデザについて。
びわ役の悠木碧さんは素晴らしい演技でした。
本当にこの声優さんは演技の幅が広くてすごいと思います。
作画は全体を通して崩れることもなく安定していました。
キャラデザが独特ですが、平安時代の雰囲気にマッチしていて良かったです。
山田監督の作品ということで視聴前から期待してましたが、期待以上の完成度だったので非常に満足できる作品でした。