camuson さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
印象度:87
超能力を有するヒーロー達が、市民を守るために悪と戦う様子を、
TVショウにしてお茶の間に実況中継し、
ヒーロー達はプロスポーツ選手のごとく、
戦闘スーツの一部にスポンサーロゴを付けることで、
ヒーロー業が商業的に成立しているという設定です。
実際にSoftBank、amazon、PEPSI NEX、牛角、USTREAM、
Calbee、DMM.com、FMV、高須クリニックなどのロゴが使われていて、
その広告料がアニメ製作資金の一部に充てられるという
斬新なアイディアが光る意欲作です。
従来型特撮ヒーローものを咀嚼した上での、
パロディー的なシリアスヒーローものとして、
本作でキャラクターデザインを担当している桂正和が
過去に手がけた漫画作品「ウィングマン」が真っ先に思い浮かびますが、
本作はその大人向け発展形というような見方もできるかも知れません。
序盤は緻密に作り込んだ設定が明らかになっていくのと、
世相をシニカルな視点で切りながら、上質なコメディに転換するのに成功しているのと、
現代社会的職業人であるヒーロー達の持つ悩みに身の丈で共感できるのと、
ヒーロー達のキャラクターのバリエーションの豊富さのワクワク感と、
オープニングテーマとエンディングテーマの爽快感と、
1話ごとにオチが付くメリハリ感と
CGと手描きが上手く融合した作画のゴージャス感と、
主人公2人の微妙な距離感などが、
いいバランスで配合されていて、
計り知れないポテンシャルを感じてしまったものです。
そんな風に考えていた時期が俺にもありました。
しかし、2クール目に入り、テーマ曲が変わって爽快感がなくなるとともに、
話の展開も爽快感がなくなっていきます。
懐の広い世界観が創れていたにもかかわらず、
復讐劇を中心にした、狭くて、厚みのない、
ありきたりな展開にハマっちゃうんですよね。
そして、作画の崩れがそれに追い打ちをかけてきます。
今まで気にならなかった部分が急に気になり始めたのかも知れませんが。
失速というより拙速な展開だったと思うのですよね。
他のヒーロー達のエピソードと絡ませて厚みを持たせるとか。
社会風刺的なトピックをどんどん折り込んでいくとか。
可能性がいくらでもあって、期待感が大きかっただけに、
いろいろと残念感が大きいです。
続編に続く終わり方なので、なおさら悔やまれるのですよね。拙速が。
でも、久しぶりにワクワクさせてもらったのも事実なので。
それは評価します。