てとてと さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
鴨川舞台に女の子の日常と絆が宇宙戦争止めさせる、佐藤竜雄監督のロボットアニメ
「学園戦記ムリョウ」の佐藤竜雄監督テイスト溢れる、
ガールミーツガールの日常寄りロボット。
バイタリティー溢れる主人公のまどかちゃん中心に、
戦争中の二つの星間国家の女の子ふたりとジャージ部結成、ロボットで戦ったり。
全24話とOVA1話。(纏めてレビュー)
【良い点】
小さな街を舞台に日常系の和やかさの中に宇宙戦争のスケールを閉じ込める、同監督の「学園戦記ムリョウ」彷彿とする作風。
古代の悲劇だの星間連合の行く末巡る戦争だの、そんなものよりjKの日常とユウジョウが大事的なスタンスが小気味良い。
黒幕除けば悪党がおらず、善意の物語で清々しい。
主人公まどかちゃんの猪突猛進さから、序盤の設定やキャラ関係を説明せず進行するが自然と引き込まれる。
キャラ登場や設定が唐突な割には、会話劇でキャラや勢力関係が徐々に開示される構成が上手い。
ガールミーツガール、敵対する二つの星間国家の女の子ふたりが各々背負っている事情や葛藤を掘り下げつつ、まどかのジャージ部魂な謎のノリでグイグイ仲良しになっていく。
まどか、ラン、ムギナミのユウジョウはかなり良かった。
三者三葉の可愛さ。「まるっ」「わん」「かしこまり~」もあざとい。
おじさんや、デメトリオ陣営の男子トリオなど、良キャラ多い。
おじさんは宇宙戦争の渦中でも泰然自若と日常を守ってくれる頼れる大人だったり、トリオが徐々に鴨川に馴染んだり。
地球の常識に疎い異星人たちの文化ギャップ日常系要素も良かった。
裏ヒロイン的なユリカノが可愛い。
ロミジュリ的な切なさや輪廻に囚われた悲劇性あり、2期に判明していく輪廻を巡るユリカノとディセルマインのロマンスはかなり良かった。
ムギナミとヴィラジュリオの義兄妹関係も。
勢力代表な男の友情と敵対に対し、女の子たちがわだかまりを解いていく流れも見所。
2期6話のまどかユリカノ入れ替わり回が特に面白い。
巧みに男たちに本音を引き出し一気に真相を語りつつ
和解に持っていく。
鴨川推し。鴨川愛に溢れていて良き御当地アニメ。
作画は鴨川もメカデザインもロボット戦闘もかなり良い。
少し素朴なキャラデザも好み。あざといフェチエロもおいしい。
プールで水着にウナギ「そうはならんやろ」なえっちシーンとか。
声優陣は石原夏織氏がはまり役、楽曲も綺麗でテーマに沿っていたり、ジャージ部の歌など印象に残る。
【悪い点】
説明不足なまま唐突に進行していくため序盤はやや置いてけぼり。
キャラの交流掘り下げもその場のノリでいつの間にか進行している、それが良さでもあるが、雑にも感じる。
1期終盤や2期7話以降が駆け足気味で唐突さも。
最終的に輪廻とは?など未解決の謎も残った。
戦闘シーン自体はクオリティー高いが、
作風の関係かあまり緊迫感が無い。
展開もスローテンポで盛り上がりに欠ける。
ストーリー的には2期6話がピーク、以降は黒幕の洗脳?で強引に進行してイマイチ。
小さな街と日常から宇宙規模の大事に、な緊迫感とスケール間では
学園戦記ムリョウに及ばない。
まどかの級友など鴨川の一般人たちの描写や、鴨川全体の立ち位置などの描写が弱い。
この点でムリョウの天網市よりスケールが狭く感じる。
黒幕が唐突で微妙。
【総合評価】8~7点
学園戦記ムリョウには遠く及ばぬものの、佐藤竜雄監督らしい良作ではある。自分は好き。
小都市舞台で女の子の日常重視なロボットアニメで「クロムクロ」があるが、クロムクロよりはキャラドラマの層が厚かった。
評価はとても良いか迷うところの「良い」