くまごろう さんの感想・評価
2.3
物語 : 2.0
作画 : 2.0
声優 : 3.0
音楽 : 2.5
キャラ : 2.0
状態:観終わった
トロッコ問題、とは?
視聴完了
放送順の時間軸で見ると色んなナゾがとっ散らかっていて、途中で断念しそうになるが、実はやっていることは単純明快。
ある女性が過去の実績と現状の分析から得られる犯罪予測システムの理論を作る→そのシステムがきっかけで区長と出会い結婚、子供2人を授かるが、突然暴漢に刺されて死亡→区長、亡き妻の意志を継ぎシステムの実装を目指すも、脳となるべき人工物を作成できず断念→廃校となった小学校で火災発生、2人の子供のうち女の子が巻き込まれ、体に致命的なダメージを負う→区長がその子の脳をシステムに組み込み実装→その子供と生前関係があった人物が事故に巻き込まれる予測により子の自我復活→トロッコ問題1→トロッコ問題2→もう1人の子の秘書的な人がシステムに組み込まれたこの自我が復活したことに気づき、周りに気づかれないために悪役を演じる→トロッコ問題3→トロッコ問題4→トロッコ問題5→エンド
要するにただの行き当たりばったり。
物語を盛り上げると思われたトロッコ問題も主人公たち3人の行動が微妙だったり、そもそも問題が成り立ってなかったりでいまいち盛り上がらず、キャラの行動も非常に中途半端で、最後盛り上げようとしたのだろうけどいまいち。
最後にトロッコ問題まとめで終わりに。
1.線路に足が挟まった少女に無人運転の列車が迫る
列車を停めればクラッシュして周りに被害、止めなければ女の子は死ぬ
→そもそも列車は無人運転で外部からの停止信号もシステムエラーで受け付けない状態。つまり止められず、選択肢になっていない。
ちなみにアニメではどちらも選ばない!とか言いながら女の子をヒーロー主人公が超人的な身体能力で救出、仲間のハッカーがドローンで列車に物理的に攻撃し強制ブレーキ、女の子を少し通り過ぎ普通に停止。あれ、止めたらクラッシュして被害拡大じゃなかったの?
2.グルメフェス会場に竜巻発生。
大人を助けるため会場の脱出を優先すれば足の遅い子供と老人は死ぬ。子供たちを助けるため会場のコンテナに身を隠せば大人が入りきれず死ぬ。
→アニメではハッカーがコンテナの手配、区長の子とヒーローが会場の脱出に動くも、導線が重なりコンテナ車がクラッシュ。喧嘩をしつつコンテナでやり過ごすも被害者多数。
これもトロッコ問題になっておらず、そもそも子供はコンテナで、大人は会場を脱出すれば助かるのだから会場のコンテナに子供老人を隠し大人は脱出すればいいだけ。強度が足りなくてもヒーローとハッカーがあればなんとでもなる。
3.豪華客船を爆破しようとする犯人と、豪華客船に乗る人々。
作中でも言っていたが選択肢になっていない。豪華客船を見捨てるなんて選択肢はただの犯罪者。考えるべきは犯人を殺させないようにする方法。
4.落雷により建設中のクレーンが倒壊の危機。それを防ぐために悪人だった人物がワイヤーで補強しに行っているが、その結果悪人は死ぬ。悪人を助ければクレーンが倒壊する。
これも悪人がワイヤーを補強しに行くのを止める、という選択肢があって初めてのトロッコ問題なのに、区長の息子がいきなりその選択肢を潰す。ヒーローはワイヤーで補強し雷に打たれた悪人を蘇生しただけ。
5.ヒーローが持つ最後のパーツ、区長の子に渡せば最強の管理システムが、ハッカーに渡せば自由な未来が手に入る。
ただの2択。
ちなみにどちらも選ばず、3人で本拠地に特攻。最後のパーツとは無関係に物事は進み、管理システムは破棄される。
あれ、結局ちゃんとしたトロッコ問題ないじゃん?