ジョン・ファースト さんの感想・評価
4.8
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
原作の作画的粗さを補うことで完璧な出来になっている
人によって、漫画を読むときに「絵柄が好きではない」という理由で作品を見ない人はいるのではないだろうか?進撃の巨人の原作も例にもれずそういった「絵柄が好きでない」という分類に入れられる作品の一つだと思う(実際に知人の中にそういった人がいる)。たしかに原作の漫画では物語序盤は作画的粗さが目立つことは確かだ。作者の諌山先生は当時19歳という若さでデビューしたのもその絵柄の粗さの要因の一つだろうが、見ていただきたいのはそのストーリー性の深さだ。しかし世の中は第一印象主義の人間が一定数いて、漫画の表紙や絵柄、外見も重要視されていなければ、「手に取る」「触れる」に繋がらないことも多い。そこでアニメ化された進撃の巨人だが、作画の力の入れようが尋常ではなかった。立体起動の作画、巨人の皮膚表現、キャラクターの主線の強弱による個性の確立。有名となったOPの紅蓮の弓矢といった知名度の増加でで多くの人に触れられる機会が多くなった進撃の巨人。一期ではシリーズを通して伝えたいと思われる「世界の残酷さ」というテーマを随所に盛り込んでおり、巨人が人間を食べるショッキングなシーンと巨人と戦う人間のアクションシーンのクオリティが魅力だ。個人的にはその背景で様々な伏線が張られ、巨人という謎の生命体がどういった存在なのかという考察も含めながら観て楽しむのが後のシリーズを観ていくうえお勧めだと思う。