ウェスタンガール さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
Our Army, Our Protectors
毎週楽しみに、しかもぼんやりと眺めてきた『日美』である。
しかし今回ばかりは違った。
美術の世界を通し、ウクライナの歴史を俯瞰しながら、心かきむしる今に寄り添う内容であった。
そしてこの『本好きの下剋上』の世界観が、東西民族の衝突の舞台であり、回廊として、独自の文化を築き上げた「キエフルーシ」をモチーフとしていることを知るのである。
天翔ける神獣は、この地を駆け抜けた、文字を持たぬスキタイの民が残した工芸品の数々と共鳴するのだ。
何より、ウクライナの国民的芸術家であり、民族作家であったマリア・プリマチェンコの作品の多くが、キエフ郊外の美術館と共に焼失してしまったことにショックを受けた。
特徴的な図案、素朴で色鮮やかな画風を前に、パブロ・ピカソは平伏し、日本をはじめ、多くのイラストレーターに影響を与えたことは容易に想像できる。
母親譲り、伝統的なスラブ刺繍の作家でもあった彼女の作品。
本作、2期のエンディングアニメーションもまた、この世界へのオマージュと言えそうだ。
ちなみに、タイトルに使わせて頂いた『Our Army, Our Protectors』は彼女の代表作であり、是非ググって欲しい名作であり、芸術と同じく『平和』の守り手であるべき『本』の世界と重なるのである。
『私たちの軍隊、私たちの守護者』…。
あと、グーテンベルクが生まれたのが、ドイツの古都、大司教座のあったマインツだったのですね^^;。
マインちゃん、納得です。