camuson さんの感想・評価
4.7
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
印象度:91
魔法少女達が、人に降りかかる厄災の真の正体である魔女と命をかけて闘う話です。
魔女を倒すために、魔法少女達は、魔女が跋扈する裏世界・異空間に入り込むのですが、
そこは、色鮮やか、かつ、ポップで禍々しいコラージュで表現されていて、
今までのアニメであまり見られなかったアートスタイルは新鮮です。
一方、通常の生活空間では、雑多な生活臭を感じさせるものが描かれず、
肌で感じるリアルさに乏しいのですが、
デフォルメされたキャラデザを含めて、余計な情報が極力排されたことにより、
ストーリーの流れや起伏が、とてもシンプルに伝わってきます。
そのシンプルさもあり、小さく綺麗にまとまった凡作と思いながら見ていました。
エヴァンゲリオンあたりから見られる鬱屈した苦悩のヒーロー像を、
魔女っ娘ものにまで適用しましたか、わかります。・・・程度に見ていました。
また、基本的に鬱展開なので、次が見たくてたまらなくなるという要素も
ほとんどありません。
ズルズルと主人公が話の流れから取り残されて行く中で迎えた9話、10話。
話が急展開し、物語の視界がイッキにひらけます。
物語の終幕から逆算して、
ギリギリまで単調でシンプルな展開を引っ張ったことにより、
驚くべきインパクトを与えることに成功していると思います。
作品世界に対する見方がガラリと変わり、衝撃を感じました。
登場人物は多くないですが、
その中にいくつもの見返りのない愛の形が埋め込まれ、
まったく無駄なキャラクターがいません。
脚本の勝利ですね。