てとてと さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
大正浪漫と妖と男子たちのブロマンス。女性向けだけど男子視聴者でも楽しめる良作。
南総里見八犬伝をモチーフにして大正浪漫で妖も息づく世界観(日本ぽいけど違う国っぽい)で、八犬士の美少年美青年たちが集っていく。
2期までで全26話。(纏めてレビュー)
【良い点】
幻想と懐古が息づく大正浪漫な雰囲気の良さ。
八犬士はじめ魅力的なキャラクター豊富。
八犬伝モチーフに珠を持つ者たちが運命に導かれ集っていくが、
明快なストーリーに拘らず、絆や交流で徐々にドラマが深まる構成。
キャラも世界観も積極的に説明しない、個々の幻想的なエピソードの積み重ねで作品の魅力が伝わるタイプ。
人ならざる神や妖との切なさと儚さのある美しいエピソード多く、
キャラ多い割に担当回でキャラの魅力出せている。
個々のエピソードからいつの間にかゲストやヒロイン含めた八犬士関係者の繋がりになっていて、キャラの魅力が大事なキャラ萌え作品として完成度が高い。
キャラクターは八犬士や四獣神家など美男子多数で華がある。
シリアスや哀しい展開も多少あれど、気の置けない掛け合いの雰囲気が良好で親しみやすい。
主人公の信乃が人間も妖も区別しない、物事の本質を偏見なく素直に見るタイプで、この主人公中心にドラマが小気味良く纏まっている。
信乃と荘介のブロマンスも尊し。
出番こそ少ないが浜路やアヤネなど魅力的な美少女も。
盲目幼女カホちゃん可愛い。
回数は少ないが女性関連が軒並みちょっぴり泣かせる良回。
基本BL寄り作品だけど、百合ユウジョウ要素もかなり良質。
作画水準が高く、大正浪漫も退魔バトルもキャラデザもかなり綺麗。
豪華声優陣もキャラの魅力引き出している。
【悪い点】
良い点と裏腹、縦軸となるストーリーが希薄。
個々の話は良いが、あまり本筋が進展しないというか、進展させる意思が無い。
終盤ようやく本筋と思われる敵の陰謀やら今後の主人公らの目的が提示されるが唐突。
ただ、本作は世界観の雰囲気やキャラの魅力を重視できればこの点は軽視してよいタイプではある。
キャラ多い割に各キャラ丁寧に掘り下げてはいるが、主要キャラ以外の見せ場はどうしても物足りない。
序盤でも憲兵の現八が悪徳坊主に虐げられる云々の話がアッサリ解決だったり、あと一歩物足りない話多々。
雪女に惚れられている道節も1期の見せ場以降、次の見せ場が2期終盤で浜路との兄妹愛はいいんだけど、出番が少なすぎる。
印象が薄い八犬士もちらほら。
また1話完結で良エピ多いが余韻が物足りない傾向も。
総じて26話でも尺不足、もっと話数が欲しい作品だった。
浜路やアヤネなど美少女組の出番が乏しいのは男子視聴者的に残念。
浜路は気の強いお嬢様で芯が強い独特な魅力があっただけに勿体無い。
愚かなモブを当て馬にする作劇も目立つ。
【総合評価】8に近い7点
「07-GHOST」「ヴァニタスの手記」などと同様の
関係性ドラマ重視の女性向けキャラ萌え作品。
それらの中ではキャラドラマの層が厚く、
比較的男性視聴者でも楽しめる良作。
もう少し縦軸もしっかりしていれば尚良かったけれど。
評価はとても良いの価値はありそうだけど「良い」