螺旋常連からくり剣豪 さんの感想・評価
2.2
物語 : 1.0
作画 : 2.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 1.0
状態:今観てる
10話は体育祭。骨格は悪くないが主役である八満の心理描写が弱いのがなんとも……
普段は可愛い美少女である式守さんが不幸体質の主人公を守る時に見せるイケメンさ、というギャップがウリのラブコメです。話はまあ今のところファンタジーみたいな設定が無ければそれなりのラブコメといった感じです。作画やキャラデザもかなり良い。
難点はやはり、現代社会が舞台の設定の割に漫画的と割り切っても変な設定……ファンタジー設定が多いところですね。
式守さんが主人公に落下してくる看板を蹴り飛ばしたり、幻想殺しでもついてるんかってくらい不幸な主人公の体質がそれにあたります。
異能バトルじゃないんだからあんな過剰な不幸体質や式守さんの超人要素は必要ない気がします。正直普通に描いても表現できそうなものばかりなので。
良い点
メインヒロインである式守さんが魅力的です。長所と短所が分かりやすい高い造形のキャラであり、好感が持ちやすい。
作画はそこそこ良い。スポーツシーンが特に良い感じです。
サブキャラも良い味出してるかな。特に八満可愛い。
悪い点
5話で少々改善されたものの、和泉くんの魅力は式守さんと比べて凡レベル。
そもそもからして作品コンセプトがしょぼい。普段可愛いけど時折かっこいい一面を魅せるヒロインは他作品にはすでに大勢いるので独自性溢れるキャッチコピーにはまったくなっていない。そのせいで式守さんは他の作品に登場するヒロインと違って無理にあの顔をしないとかっこよく見せられないみたいになっています。
作画は時々荒くなる傾向あり。
虚無回がある(3、4話、9話前半)。
恋愛関係が初期から成立しており、関係が構築されていく過程を楽しむというラブコメの醍醐味が他でも無い本作品の手によって潰されている。
2話
懸念していた悪い点が早速出て来ましたね……
ヒロインはそこそこ良いキャラなんだけど主人公がナヨナヨしてるだけの劣化上条当麻で彼に関して良い点がまるで無いです。ちなみに優しい、というのは人が持つべき人格として当然だと考えているので良い点からは除外しています。
opから察するに主人公があれだけの美少女と付き合うだけのきっかけはあったのでしょうが、そういうのが分からないままに魅力の無い主人公にイチャイチャされても萎えるというか。せめて主人公に一つだけでもストロングポイントが欲しい。全部において欠点だらけだと流石に感情移入できないです。
シナリオは今のところ普通。でもコンセプトに沿ってヒロインの魅力を引き出しているかは微妙なところ。
3話
宇崎ちゃんや長瀞さんみたいなヒロインリードの作風なのは分かりますが、やはり主人公に魅力が相変わらず無いのが痛いですね。男子キャラの魅力は現状それらの作品の下位互換です。
しかも今回の話は中身も薄い。和泉くんの行動が映画観て食事して寝るで終わり、それだけで今回の話はほぼ完結する薄っぺらさ。人間ドラマなんてほとんどありませんでした。下手な日常系でもここまで薄くないです。もう少しギミック盛り込みます。一応最後辺りは観れなくはないですが、総じて微妙でした。
クソアニメってほどではないけど、ある意味特徴のあったおさまけより観るのしんどいタイプですね。
4話
もう和泉くんの魅力とかどうでもいいから、せめてまともな話を見せてください。Aパートでお膳立てしたんだからBパートはキャンプの話で良かったでしょ。ドラゴンボールZの引き伸ばしリスペクト?情報量が無さ過ぎて賢者の弟子を観た時と同じ虚無感が襲ってきています。
これはもしや、修行枠か……。
追記
他のところで見た意見の受け売りですが、主人公の声のキツさって女性声優が和泉くんを演じれば緩和できたと思うんですよね。先輩がうざい後輩の話の登場人物である桜井優人もナヨナヨな優男だったけど演じたのが堀江由衣さんだったから受け入れられましたし。男性声優があの手の女々しいキャラの声を演じるのは上手い下手い以前に少々無理があったようにも思えます。
あとはやはり原作を多少弄っても和泉くんや式守さんに好感が持てるであろう過去編のシーンを前に持ってくるとか。このアニメのダメさは内容以前の部分であるアニメ作りの基本骨格に対する工夫の足りなさからも表れているように感じました。
5話
待ちに待った川の話。今まで魅力の無かった和泉くんが料理や救助で活躍する回です。式守さんが料理下手という設定も加わり、キャラクターの良さが全体的に掘り下げられた回でもあります。
この回は展開としてはありがちなものの、特に批評するものでは無く、イチャイチャが微笑ましく観られました。アイスクリームのくだりは特に良かったです。
6話
花火回。昼間から祭りに参加するのはやや特殊ですが、他はかぐや様や宇崎ちゃん、五等分を始めとした他作品のラブコメでも散々擦ったような感じの話が続きます。定番エピソードゆえにつまらなくはないですが、他作品にあるようなギミックに乏しいのもあり、すごく面白いわけでもないです。一言で言えば凡庸ですね。
不幸体質かつ、疲れている和泉くんが危険が付き纏う階段で無理に式守さんを背負ったりするという優しさを履き違えたような行動をしているのもあって、5話よりは評価が下がる6話でした。
最新話は7話ではなく、1話に副音声を流すオーディオコメンタリーでした。万策尽きたんかなぁ……今期の動画工房はこの作品とRPG不動産の掛け持ちな上にコロナによる閉鎖もあったので、これからの動向には暗雲が立ち込めていますね。
7話
文化祭編前編。文化祭の模様と2話に出てそれっきりだった狼谷さんの再登場からの和泉くんと彼女の絡み、そして去年の文化祭での和泉くんから式守さんへ告白するきっかけとなったエピソードが流れるという構成。
おそらく前後編なので具体的な感想は次も観てからにしますが、それにしても今回の話は構成がよく分からないです。
回想の挟み方がなんかおかしい。現時点で大したエピソードではない狼谷さんと和泉くんの出会いのシーンの回想はふわっと一瞬映すだけで丁度良かった。同じ図書室という舞台かつ半端に長々とやったせいで時系列の切り替わり部分が分かり難くなっており、テンポも悪いです。
もう一つ、和泉くんと式守さんの付き合ったきっかけが未だに謎なのに告白部分の回想は今挟むべきではないでしょう。アニメ勢には流石に共感不可能です。
狼谷さんはライバルポジっぽくて重要そうな雰囲気なのに、文化祭までほとんど出ないのは謎。あそこまで出さない理由が今のところ見当たらないです。もうちょっと彼女をストーリーに絡ませた方が盛り上がりに寄与したでしょうに。和泉・式守のカップルを2話みたいに眺めるシーンをいくつか追加したりとか、和泉くんと狼谷さんをもっと絡ませるとか。和泉くんと相対してあれだけ口数が多くなるのなら、普通一年も待てないと思うのですが。
ここまで引っ張った以上、文化祭が和泉、狼谷の再会じゃないといけない絶対的な理由があるのかもしれませんが、やはり次回を観ないことにはなんとも言えませんね。
8話
文化祭後編。狼谷さんが和泉くんに惚れた経緯や、和泉くんを巡っての式守さんと狼谷さんの絡みが主なエピソード。
シンデレラを下敷きにした狼谷さんの心理描写はまあまあ良かったと思います。自分を殺して身を引こうとする彼女を見捨てずに救おうとする式守さんもヒロインとしては理想系と言えました。式守さんに和泉くんがプレゼントを渡す展開もラブコメとしてはなかなか良い流れでしたね。
ただ、なんで狼谷さんが和泉くんに惚れたのかが少々謎なんですよね。おそらく理由としては不幸にめげない和泉くんを目の当たりにして惚れた、辺りでしょうが、少し気持ちが乗っていかない展開でした。
本棚が倒れたレベルの不幸を狼谷さんが見たのは一回きりだし、別に和泉くんが狼谷さんを庇ったという展開でもない。どちらかというと狼谷さんがトラブった和泉くんを手助けしているという形です。これだと狼谷さんがダメ男製造機でもない限り惚れる要素が垣間見えないというか。恋は理屈じゃねえんだよって話になるならもう何も言えませんが。
それと和泉くんと式守さんの過去編もそろそろ描いた方が良いと思います。狼谷さんのエピソードもやった以上、そこまで引っ張るものとは思えないんですよね。
9話
狼谷さんを始めとしたサブキャラの掘り下げ回。Aパートは式守さんと犬塚が風邪をひいた和泉くんのお見舞いに行く話、Bパートは式守さんと猫崎が狼谷さんを誘って遊ぶという話です。
和泉くんの見舞いシーンはなぜかカットされており、今回の彼の登場は回想を除けばAパートラストの1カットのみ。よってラブコメ要素はこの9話だとかなり希薄です。
そのため式守さんとサブキャラの絡みを中心に楽しむという形になっていくのですが、Aパートは控えめに言っても出来が悪い。内容は式守さんが犬塚を睨んでいた理由が自分の兄と彼を重ねており、兄の時のように甘えていたに過ぎないことが分かったという、たったそれだけのもので15分近くもやる内容ではないくらいに薄いです。それに犬塚自体の掘り下げには全くなっていないし、テンポもいまいち良くなかったですね。
Bパートは狼谷さんの掘り下げがメインで、文化祭編のエピローグも兼ねているともとれる内容です。こちらは回想や式守さんと狼谷さんの一対一の絡みを効果的に使っており、奥手で感情表現が不器用な彼女の心理描写を巧く表現できていました。
しかしながらラブコメ要素がラストシーン以外はほとんど無いし、この作品の中核の一人である和泉くんもほぼ出ないのでぶっちゃけ誰得回なところはあります。
10話
体育祭にて式守さんのグループが取り組むリレーに主題を置いた話。
身体能力が高くない八満が自分が周りの足を引っ張っていると思い悩み、和泉くんたちのリレーでの奮闘を見ることで卑屈な自分を克服する、というのが大まかな内容でしょうか。
ドラマの内容自体は悪くなく、むしろ八満が成長するまでの一貫した内容を描いた今回は普通に良回とも言えます。ただ、彼女の心理描写が基本台詞頼りなのが弱いですね。過去の話など、映像の動きも交えて本格的にした方が見応えはもっとあったでしょう。