タック二階堂 さんの感想・評価
3.4
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
よくある“なろう”ゲーム内転生モノ…かと思いきや?
詳細は公式サイトでも見てください。
はい、なろうです。
VRMMORPGで遊んでいたら、いつの間にかゲーム内のファンタジー世界に転生してしまった! しかもプレイしていたキャラの骸骨騎士で! ま、下馬評では「はいはい、オバロオバロ」と歯牙にもかけられていなかった本作。
ですが…
いや、これ面白いですね。
これはスタジオ櫂の手腕が光っている感じ。手垢の付きまくった“なろう”異世界モノという食材を、見事に調理して面白く仕上げてきた初回でした。脚本・シリ構のかたは、どうもこれが初のアニメ作品の脚本担当のようですが、初めてだからこそ周到に考えて書かれたのが伝わってきますよ。
骸骨騎士だからOPはバットマンのようなヒーロー物っぽい作りとか、モノローグを上手に使ってコミカルさを演出したりとか、「なろうでも、こんなに面白くできるんだ」と感心させられました。
いや、やってることはテンプレのオンパレードなんですよ。森の中で盗賊に襲われた貴族の令嬢と侍女がキャーからのお助けイベントとか、ギルドに傭兵登録するために魔物を3匹狩ってくるテストとか、ベッタベタの“なろう異世界モノ”なんですが、なんというか、上手く作ってきたなあという印象。
このペースが続けば、観られそうな感じはしなくもないですね。まあ、どっちみちオバロフォローワーなので、あのクラスになるような作品ではないけど、そこそこ楽しめるのではないでしょうか。
=====第2話視聴後、追記です。
{netabare}
いや、やってることは「なろう異世界モノ」のテンプレなんですよ。だって、今回だってギルドに所属しました→からの目立ちたくねえから低級クエスト(薬草取りの少女の護衛)を受け→森に入ったら、ここにいるはずのない中級モンスター・バジリスクが登場→一撃で一刀両断。俺TUEEEEE→クエスト終了。バジリスクを倒したのは内緒にな。
ね?
ベッタベタのなろうテンプレでしょ?
でも、面白いんです。
脚本担当は菊池たけしさんという、これまでゲームデザイナーとして活躍されていた方。実力があるのでしょうね。テンプレまみれのなろう作品でも、こうも面白く料理できるんだと感心しました。
ていうか、ポン太お前、それ「ナウシカ」のオマージュかいっ!笑
うん、面白いです、これ。
{/netabare}
=====第3話視聴後、追記です。
{netabare}
いや、ベタなろう展開なんですよ?
悪い領主が裏で悪さ。そのドラ息子がエルフ狩り。
偶然であったダークエルフの美少女戦士。手助けをしてエルフの子どもたちを救出。
「THEなろう」の異世界モノなんです。でも面白い。
つくづく、脚本や演出を工夫すれば、賞味期限切れの食材でも美味しく料理できるといったところ。今期の他のなろう・カクヨムの駄作たちを見てみてくださいよ。ひどいもんでしょ?
制作側が面白く作ろうとモチベーションを高く持っていれば、こんな食材でも面白くできますよという実証となっている感じです。
{/netabare}
=====第5話視聴後、追記です。
{netabare}
むーん…
そろそろ「なろう異世界」の馬脚を現しつつあるといった印象です。
ここまで、よくあるなろう異世界モノのテンプレを、上手に面白くエンタメに昇華させていたため、楽しく観続けてきました。
しかし、今回はさすがに面白みに欠けてきたという感じ。さらわれたエルフ属の女子2人を、悪代官のような公爵から救い出しましたよと。で、一仕事終え、傭兵として雇われていたアークはどうする? という流れで、エルフの村に行きましょう、族長に顔見せしましょうというのは、ちょっとなぁ…
そこは、このエピソードはここで終わりで、次なるエピソード、キャラとの出会い、戦いという流れのほうがスマートだし、テンプレじゃないと思うのですが…
まあ、それでも観れなくはないレベルではあるので、まだ楽しく観ていますけども、少し暗雲立ち込めつつあるかなという回でした。
{/netabare}
=====最終話視聴後、追記です。
{netabare}
まあ、ストーリーが一区切りついて、俺たちの冒険はこれからだENDでした。
んーっと、僕はこれまで「小説家になろう」原作のアニメで、さんざん痛い目を見てきたクチなので、正直もうアニメ化されてもハードルを思いっきり下げて視聴するようにしています。そして、大半の作品が下げに下げたハードルの下をくぐるような(「失格紋」とか「リアデイル」とか「賢者の弟子」とか)作品ばっかりでした。
なので、この作品も思いっきり期待していませんでしたが、その意味では低いハードルを難なく跳び越えてきた印象です。
この言い方もどうかとは思うのですが、こんな題材で、よくもまあ、これだけ面白く作れたもんだと感心しました。監督、脚本家の方の頑張りには敬意を表します。
ただまあ、そうは言ってもアニメスタッフの工夫にも限度がありまして。中盤に進むに連れて、なろう特有の面白くなさがポロポロ出始めたといった感じでした。
会話のテンポや、アインズ様リスペクトの主人公が兜で顔が見えないのに、笑ったり困ったりしているのを上手いこと表現し、それがギャグとして成立していました。「ねえねえ、ポン太かわいいでしょ」を前面に押し出してくるのは、ちょっと食傷気味ではありましたが…
ということで、まあ、序盤から中盤くらいまでは、なろうにしては面白く観ることができました。終盤の、やれ魔物使いのイキリ悪役だの、最後にはでっけえ敵出しときゃいいだろのヒュドラだの、もうどうしようもなく、ある意味「万策尽きた」感じで原作準拠(ですよね?)に作らざるを得なかった展開は、もううんざりって感じではありましたが…
結局、「イフリート」を召喚できる俺TUEEEEEEEなんだもんなぁ…
ということで、序盤から中盤までの高ポイントが効いて、★3.5といったところでしょうか。
{/netabare}