てとてと さんの感想・評価
3.7
物語 : 2.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
パンドラハーツ作者による人間と吸血鬼のブロマンス
吸血鬼が存在する19世紀フランスを舞台に、人間と吸血鬼の青年や少女たちのブロマンスやラブコメな感じ。全24話。
【良い点】
人間と吸血鬼が共存する、ゴシックファンタジーからスチームパンク要素もある世界観。
人間と吸血鬼の関係やら蒼月の吸血鬼やらの謎や伏線はあくまでキャラ萌えの舞台装置、
なので本筋のストーリーが一向に進展しなくても、キャラ萌えが出来れば良しとするタイプの作品。
ヴァニタスの書や蒼月の吸血鬼など意味深な設定でキャラの背景を彩りつつ、美青年同士の掛け合いや関係性を描いていく。
やや古いガンガン系のノリを感じるキャラや掛け合いが楽しい上に、徐々にキャラ同士の関係が深まっていく過程が見所。
通してみて、人間と吸血鬼の相容れぬ者同士が分かり合う的なドラマになっていた。
過去の悲劇的トラウマ故に吸血鬼を憎むアストルフォと、真っ直ぐ受け止めるノエの衝突から和解は良かった。
作画が綺麗でキャラデザが男女共に魅力的。耽美的な持ち味。
パンドラハーツ同様の梶浦由記ミュージックも雰囲気抜群。
これに花江夏樹氏など声優陣の好演が加わり、キャラクターの魅力存分に引き出していた。
ヴァニタスをはじめ主要キャラの魅力が男女共に高い。
人間主人公のヴァニタスが強気Sな強キャラで、吸血鬼相方のノエが生真面目天然で押され気味、という関係の妙。
吸血鬼を特別視せず、対等に関係深めていくキャラドラマが良かった。
中々デレないヴァニタスに裏表なく食い下がり最終的に救っていくノエの友情は尊し。
吸血を性行為のメタファーにする定番もあざとく活用、人間のヴァニタスが主導権握って吸血鬼のジャンヌに吸血迫ったりの萌え展開もおいしい。
ジャンヌは非常に可愛らしく、世間知らずツンデレがある意味変態にゴリ押しされてデレていく。
かと思いきやヴァニタスも強気で攻めながらいつの間にか受けに回る乙女ちっくな可愛げを見せる、攻守逆転の構図もまたあざとい。
ジャンヌなど女性陣よりも、ヴァニタスのエロさが見所だった。
【悪い点】
縦軸となるストーリーが散漫。
ヴァニタスやクロエそしてミカエルなどの過去の経緯や悲劇的関係を度々匂わせつつ、中々話が進まない。
一応2クールで主要キャラの過去含めた関係の再構築は出来ているけれど、2クールもあった割には内容が薄かった。
背景が複雑というよりも出し惜しみしている、出し惜しんだままバトルや衝突が続くため、2期中盤辺りの途中経過が分かりづらい。
2クールかけて未完成。
キャラ多いが一部以外のキャラの見せ場が乏しい。
【総合評価】6点
「07-GHOST」みたいな、ゴシックファンタジーからの関係性ドラマ重視の女性向けキャラ萌え作品。
この手のタイプは本筋ストーリーやテーマ性重視だと物足りないけれど、キャラに魅力感じるか否か。
評価はとても良い程にはハマらないけれど「良い」