「りゅうおうのおしごと!(TVアニメ動画)」

総合得点
81.6
感想・評価
846
棚に入れた
3808
ランキング
403
★★★★☆ 3.6 (846)
物語
3.5
作画
3.7
声優
3.7
音楽
3.5
キャラ
3.7

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ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

ヤンデレロリ美少女とロリハーレム。でもリアリティがあって深さもありました。

 一回断念したことありますが、将棋の記事で本作の最終回について見かけて興味を持って再視聴の機会を狙っていました。冬から春のアニメの切り替え時期を狙って一気見しました。面白かったです。

 なぜヤンデレロリ美少女の弟子とかいう完全に妄想の世界に見える話が、これほど面白いのかですね。

 将棋についての造形の深さはもちろんあります。最終回の {netabare}千日手と打歩詰めのところとか{/netabare}、相当のマニアなんだろうなあ、と感じました。実際の棋譜見ましたが、なるほどなあとは思っても頭が追い付きませんでした。ルールは確かにないみたいですね。
 それと、観る将の人はわかると思いますが8話の昔のニコニコ動画の中継のコメントとか、9話の「アレアレ??おかしいですよ??」のシーンなどは中川大介VS羽生善治の有名な頓死局の加藤一二三のコメントですね。原作者は相当将棋好きなんだろうなあと感じます。(ハチワンダイバーは監修に鈴木八段が付いていました。本作はプロ棋士が関わっているんでしょうか…後で調べます)

 ですが、何より深みを感じるのは、女流のリアルの部分でしたね。女流で無敵でも男性棋士の足元程度。確か2021年だと思いますが、女流のメチャメチャ強い人が奨励会の3段まで行って諦めたと記事で見ました。本作はそのずっと前ですからね。この部分を描けていたので、女性キャラ達の戦いに感情移入できました。これは空銀子の悩みそのものでした。

 そしてそう、何といっても清滝桂香ですね。このキャラが光っていました。低年齢の子供の中に混じって勝てない焦りとか口惜しさ。この表現に時間を割いたのは大成功だと思います。
 なんかポワっとした感じで登場時には狂言回しのお姉さんキャラかと思いましたが、この人がいるので非常に作品それ自体のレベルがあがったと思います。結果についての部分も結構ジーンと来ましたね。

 この辺りはテーマになりやすいんでしょうし、逆にプロの世界の厳しさを描くにはどうしても表現したい部分なんでしょうね。碁の世界では「ヒカルの碁」でも扱っていましたし、マンガ「ハチワンダイバー」の主人公は夢破れた後でしたね。本作はそういう作品と比べてもこの桂香というキャラは引けを取らないくらい良く描けていました。


 他のキャラたちは結構デフォルメされていましたが、将棋界も変わった人が多いですから、それほど奇異じゃないのかもしれません。なにせ天才の集まりです。

 ロリに関しては、本作の登場人物ですが低年齢に感じますが、藤井聡太さんが本作と同じ小学校4年生で奨励会入り、14歳でプロデビューです。女子の成長は男より早いですから、小学校4年生というのはロリハーレム設定に見えて実はリアルなんだろうなあ、と思います。

 肝心の「りゅうおうのおしごと」の「おしごと」の部分がロリ小学生の相手???みたいに見えて、初めはなんじゃこりゃ?ですけど、数話見るだけで面白さに引き込まれました。

 今やAIの評価値で将棋が解説される世の中で、振り飛車が指されないみたいですし、ニコニコ動画で有名な高段位のプロ棋士と女流の掛け合いをコメント眺めながら…という中継も無くなってしまいました。

 現実の世の中よりも猛スピードで進化する将棋の世界。ですけど、本作のアナログ時代の最後の部分、良かったですね。羽生善治が無敵で永世7冠に挑戦していた時期です。本作のヒューマンドラマはかなり良かったと思います。絵柄とロリ系でひょっとしたら誤解される可能性もありますが、なかなかの秀作だと思います。

 総評としては、面白いです。最終回がちょっとあっさりしすぎで「俺たちの戦いはこれからだ」的ですけど、続きを2期で見たいかなあ。原作を読みたいかと言われると、コミックならいいけど、絵が無いと辛いかなあ。できればアニメでお願いします。

投稿 : 2022/04/04
閲覧 : 293
サンキュー:

10

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