しんちゃん さんの感想・評価
3.5
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
日々(?)進化するきらら系アニメ
典型的きらら系。可もなく不可もなくという感じで、最後までぼんやりと見ていられました。
・圧倒的にオヤジ好みの趣味をなぜかたしなむ女子高生たち
・勝手に騒いで怒ったり泣いたり笑ったりするめんどくさい系のうざい主人公と、それをフォローしまくってくれる回りの人たちという優しい世界
・その領域の専門知識についても解説を入れてきたりするのだが、ストーリーに絡む重要な部分で非常識だったりしてその領域の専門家の方から総突っ込みを被弾する
・最近の傾向として、視聴者に人気の料理ネタもしっかり盛り込まれる
・絶賛売り出し中の若手女性声優が多くキャスティングされ、OP/EDの歌なども任されるが、ゆえに音楽がほとんど印象に残らない
といった、きらら特有の特徴をすべて兼ね備えており、そうしたものと割り切って見ていただければそれなりに楽しめると思います。ゆえに、ここでは小春ちゃんのうざさやひよりちゃんの演技への違和感、またフライフィッシングの世界の方からの批判については特に触れません。
ここでは、きらら系の上記の特徴に対してスローループが新たに加えた要素、「泣かせ」についてコメントしておきたいと思います。
きらら系は「メインキャストに女の子しか出てこず、金銭や恋愛といった現実の煩悩が完全に脱臭された幸せな世界」が基本なのですが、スローループは主人公2人とも小さい頃に大好きだった片親を亡くしており、その二人の親が再婚して二人が「姉妹」として出会うという重い設定が加えられており、しかもその親に対する思いが趣味の時間を過ごしている時にも時々ふと2人の心に浮かび上がってきます。
こういう重い話は、きらら系好きの視聴者が求めているものではないと思っていたので、この作品は失敗するんじゃないかと思っていたのですが、あにはからんや、意外に良かった。毎回、親や家族の絆に対する思いが主人公や回りの人物から語られ、ほろっとするシーンが挿入されます。視聴者を泣かせにかかっていると言えばあざといのですが、「へぇ~、きららにこういうのを入れるのもアリなんだ」と思わせる程度には新鮮でした。
正直、それ以外の要素に関しては可もなく不可もなくとしか言いようがなく、点数評価もそんなに高くないのですが、きららの新たな境地を開拓したアニメと言えるのではないかと思いまして、少しコメントをさせていただきました。