タック二階堂 さんの感想・評価
4.3
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
書道家が理事とケンカして島で子どもたちと出会う話。
そりゃ「ばらかもん」やろがい!
似てるタイトルだけども。題字のフォントも似てるけども!
ちゅうこって、詳細は公式サイトでも見てください。
京都の和菓子屋に、店を継ぐために戻ってきた主人公の大学生・和が店の看板娘である小学生の一果と出会うところから始まる物語です。KADOKAWA『ヤングエース』連載中の浅野りんさんによるコミックのアニメ化作品です。制作はエンカレッジフィルムズ。
エンカレッジフィルムズ…
あ、「異世界チート魔術師」の…
帰ってきた和に、一果は「後継ぎは自分だ」と宣言し、敵視して譲る気はありません。あら大変…。
そんなこんなで、季節の移ろいとともに和と一果が、少しずつ心を通わせて、周囲の人たちとも絆を深めていくというハートフルストーリーのようですね。そんなところも「ばらかもん」に通じるところがありそうね。「大正オトメ御伽話」とか「やくならマグカップも」あたりが好きな人なら楽しめると思うわ。
年取ってくると、こういうハートフルなお話が沁みるのよね。
作画面では若干の不安はあるものの、どう考えても派手なアクションがあるような話じゃないし、お話の出来と声優さんの演技がモノを言う作品になりそうね。期待半分不安半分といったところかしら。
で…
=====初回視聴後、所感です。
{netabare}
うん、さすがの吉田玲子脚本。コミカルなところとシリアスなところの緩急が効いて、いい感じの出だしだったと思いますよ。
よもぎまんじゅうが1個360円は高いなぁ…
すべての面で高い水準で安定した初回だったと思います。瞬発力はなさそうですが、じわじわと沁みるストーリーになりそうな予感がしますね。これは問題なく継続視聴決定です。
{/netabare}
=====第二話視聴後、追記です。
{netabare}
うんうん、いいじゃないですか。
こういうのでいいんですよ。
緑松のアルバイト・JKの美弦は、4人の弟がいて共働きの両親に代わって面倒を見ています。そして、少しでも家計の足しになればとアルバイトをしているのです。
「美弦や、いつもすまないねえ」
「それは言いっこなしだよ、おっかさん」
という時代劇のような家族です。
でも、美弦は実は歌って演奏してみた動画を投稿するYouTuberだったのです。しかし、身バレしてしまい、お前らみたいな電凸するような輩が緑松に電話してくるもんだから、バイトも音楽もやめようってなっちゃうんですね。
で、それを和と一果が説得して励ますお話です。
いいですねぇ。これぞハートウォーミングなお話です。なんでまた、美弦ちゃんのCVが鈴木みのりさんなんだろうと疑問でしたが、そうです、歌わせるからですね。まあ、今後どの程度の絡み方をするかわかりませんが、うん、まあ、そんなに重要なメインキャラにはならないのかもですね。
初回から評価は高い次元で平行線です。
{/netabare}
=====第三話視聴後、追記です。
{netabare}
和が東京に置いてきた元彼女・佳乃子が、かつて連れて行くと約束していた祇園祭「宵山」の時期に合わせて京都にやってきました。
で、バスに乗り込む男性が父親だと思って学校をサボってしまった一果と出会い、一緒に緑松に来ましたよと。
いやー、マジでいいですね、この作品。佳乃子が、ホントにイキイキとした魅力的な女性に描かれています。チャキチャキとしながらも、心根の優しさを感じさせる言動、そして和との距離感が本当に恋人という感じを受けます。人物描写が素晴らしい。
京都のお茶屋さんに就職を決めたので、これからまたちょくちょく登場するんでしょうね。緑松に就職しなかったのもいい。緑松に就職したほうが動かしやすいに決まっているんですが、適度な距離感というキャラにするために、近所のお茶屋って見事な設定です。
これは油断していると、するすると今期の覇権に躍り出る可能性もありますよ。
{/netabare}
=====第十一話視聴後、追記です。
{netabare}
いよいよ和と一果の父との出会いと別れのエピソードが明らかになりました。そして、一果が緑松に預けられた経緯も。
話数を重ねて、押しも押されぬ今回の覇権候補として、しっかりと地固めをしてきたという印象です。
まずは、さすが吉田玲子シリーズ構成作品といったところでしょうね。脚本家が変わっても、ストーリーの紡ぎ方に落差をまったく感じません。
キャラの配置も見事。把握できるだけの最適なキャラ数を、しっかりとメインからサブ、モブと上手にグラデーションをかけている感じで、観ていて気持ちがいいです。
演出面では、これはドラマでよく見る手法ですが、背景から入ってセリフがオーバーラップし、その場面へと切り替わるという、よくあると言えばよくあるんだけど、きちんと絵に集中させる演出が採られています。
作画は必要十分な仕上がり。この作風に合っていて安心感がありますね。音楽も坂本真綾さんのOPでガツって惹き込み、EDはストリートで歌ってる新人さんかな? なかなか悪くない曲だと思います。
クール開幕前は地味さがあって高い注目を集めてはいませんでしたが、ホッとさせる暖かいストーリーでねじ伏せてきた印象です。
あら、なんか最終回のまとめみたいなことを書いちゃいました笑
もう大丈夫でしょう。今期では、文句なしにオススメできる良作です!
あ、そうそう。今期のロリヒロインでは、なんかアーニャが人気ですが、一果のほうが圧倒的に可愛いです。以上。
{/netabare}
=====最終話視聴後、感想です。
{netabare}
冴え渡る吉田玲子脚本。終始、頬が緩みながら観ていました。
まるでNHK朝ドラのような、優しくて温かい世界がここにありました。派手なアクションシーンはなく(当たり前だ)、ギスギスした人間関係もない。全編、穏やかな春光みたいな作品でした。
ラストを、あれで締めるのも吉田玲子さんの手腕が光るところでしょう。余韻を感じさせる終わり方でしたね。続編があるもよし、なくても観ている者に想像させるという。
正直ここまでの作品になるとは思っていませんでした。これこそダークホースといっていいでしょうね。
{/netabare}