かんぱり さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
詩的で素敵な純愛アニメの良作
17歳女子高生の橘あきら(たちばなあきら)が、45歳ファミレス店長の近藤正己(こんどうまさみ)に恋をしてしまう物語です。
・・ってだけ聞くと、イロモノっぽい印象を抱いてしまいがちなんですけど、実際の内容は素敵な純愛ものなんです。
毎話のタイトルが詩的で好きでした。
雨の日ってなんていうか、しっとりとして詩的な感じあるし嫌いじゃないです。もちろん豪雨とかは嫌だけどw
それに雨上がりの瞬間って気持ちいいし☀
日本みたいに、天気や季節の表現が多種多様にある国はとても珍しくて、雨の表現だけでも100種類以上あるらしいです(゚ε゚)
陸上が好きで、とても頑張っていたあきらに突然降りかかる不幸な出来事。
とても落ち込んでからっぽになっていたあきらに優しく声をかけてくれた店長。
「きっと、すぐ止みますよ」
ココロが弱ってるときに優しい笑顔でこんな素敵なこと言われたら惚れちゃうのもわかるなぁ。
「同年代が好きなら理由はいらないけど、俺と橘さんだと理由がいると思うよ。」
劇中の近藤のセリフですが、あきらからだと恋に理由なんていらないけど、近藤の立場からだとそう割り切れないのかもしれないですね。
1話であきらがなぜ近藤を好きになったのかをしっかりと描いたのは感情移入し易くするためにも良かったと思います。
3話。あきらの若い情熱を感じて若くなった自分を想像するけど、あきらから子供のことを聞かれて45歳の自分に戻る近藤。
近藤のいつもと違う面を見ることができてとても嬉しくなるあきら。
こういう細やかな心情を表す演出はすごく良いですし、この作品の魅力ですね。
恋はいつかは終わるもの。
だから恋は愛しくて、せつなくて、ときに残酷で、とても素敵なんです。
この作品を観ていると、そんな恋の素敵でかけがえのない時間が懐かしく愛おしく感じます。
恋する女の子の揺れ動く気持ちをとても丁寧に描かれていて、近藤の何気ないしぐさや言葉に一喜一憂したりするあきらのしぐさや表情に気持ちが表れてたり。。
もっと好きな相手のことを知りたいと思う気持ちとかも。
10話の古書に挟まれたしおりのツバメの柄からの飛び立てなかったツバメの話は2人それぞれの想いが表れてて好きなシーンでした。
あきらのとても真っ直ぐで情熱的な気持ちを感じて、自分の中の埋もれていた文学に対する情熱が湧き上がってきた近藤。
そんな近藤の文学に対する思いとあきらめない気持ちを感じて、あきらも走ることへの情熱、走りたい気持ちを思い出して。
喜屋武のあきらへの友情も素敵でした。
ラストはあれで良かったと思います。
2人にとって、あの時間はかけがえのないものだったし、そのおかげでお互いに再び前に進むことができたのですから。
制作は定評のあるWIT STUDIOさん。
作品全体の仕上がりはとても良くて、さすがWITさんだと思いました!
静かに始まって、雨上がりの太陽のように明るい曲調になるOPも、しっとりと情感込めて歌われるEDもどちらも好きです♫
劇中曲も作品の雰囲気に合ったしっとりしたものが多くて良かったです。
実は本放送時も見てたんですけど、その頃原作にはまってて、色々と削られたり変えられたところがあったりして、アニメ自体の出来とは関係ないところで不満があって、当時はそんなに評価は高くなかった作品でした。
先日何気に原作を全巻読み返して、アニメも再視聴しました。
確かに原作と違うところもあるんだけど、アニメならではの良いところもたくさんあって、これはこれで良作だと思いました。
尺の関係でラストが原作に比べて少し弱かったのはちょっと残念でしたけど。。
純愛ものが好きな方(年の差恋愛に抵抗ある方除く)におすすめします♡