Ka-ZZ(★) さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
近未来エロティックサスペンス、開幕!
この作品の原作は未読です。
元々、2021年の秋アニメで放送される予定でしたが、「表現の精査」が必要となったため、第2話以降の放送が22年の冬休みに順延となりました。
第1話を放送してから延期するって、作り手の皆さまの心中は決して穏やかではなかったと推察します。
せめて、本格的な制作に入る前に確認することはできなかったのかと心底思いますよ。
地上波で自分の手掛けた作品が放送される…心待ちにしていた方が大勢いらっしゃると思います。
そんな方々の目の前で梯子を外す行為にほかなりませんので。
監督は信田ユウさん…「はいふり」シリーズを手掛けられた方のようです。
時は近未来――2040年の日本・東京。
ある難病に侵された青年・怜人は幼馴染の絵理沙と再会を近い、
病を治すため"コールドスリープ"することに。
5年後に目を醒ますと、世界は大きな変貌を遂げていた。
MK(Male Killer)ウイルスによって地球上の99.9%の男性が死滅。
地上は5人の男に対して50憶の女性が存在する、超ハーレムとなっていた。
MKウイルスへの抵抗力を持つ男性"ナンバーズ"は、わずか5人。
その1人である怜人は、残された女性たちと人類の存続のため
"メイティング(子作り)"することを求められる。
パンデミック後の世界にまっていたハーレム生活。
同時に怜人はナンバーズを巡る世界的な陰謀に巻き込まれていく。
押し寄せる誘惑を乗り越え、世界を救うことはできるのか。
公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。
完走して思ったこと…
これ地上波で放送する必要性って、何だったんでしょうね^^;
まず物語の内容が全般的に薄く感じました。
表現の規制をどう乗り越えるか、に注力したせいかと思いましたが、完走後にwikiをチラ見してみると、原作の第1話~第54話の冒頭までがアニメ化されたそうですが、原作は第85話までが第一部で、それ以降が第2部に移行しているそうです。
つまり、第1部の6割もの尺を使って描かれた作品ということになるのですが、物語の内容を薄く感じたということは、原作を大幅にカットした影響が出ているんでしょう。
第1部が終わるというからには、何等かの結論や顛末が導き出されていると推察しますが、今回の作品に、同様の結論や顛末を感じることは残念ながらできませんでした。
OVAやNETFLIXなどの有料媒体を活用して、しっかり描いて貰った方が作り手、視聴者とも、もっと納得の行く結果に辿り着いた気がしてなりません。
本当にこの作品の言いたいテーマが、BPOによる鉄槌の回避に躍起になったことで、少しぼやけてしまった様な気がしました。
怜人が頑なに女性を拒むのには理由がありましたが、同時に怜人に言い寄る女性側にも表向きだけではなく、心の内側に複雑な思いを秘めていたようですが、そのあたりもハッキリ描かれていなかったので、潔癖一辺倒なやり取りに半端無い違和感が感じられたんですよね。
しっかり描くことが地上波での放送の妨げになるのなら、妨げの無い媒体を活用した方が、視聴者も腰を据えてじっくり視聴できますし、作り手の皆さまもより納得感が得られたのではないでしょうか。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。
オープニングテーマは、H-el-ical//さんによる「JUST DO IT」
エンディングテーマは、EXiNAさんによる「ENDiNG MiRAGE」
1クール全11話の物語でした。
個人的には嫌いな設定では無かったので、少し勿体なさを感じてしまいました。
一方、物語の方ですがラストは相当の投げっ放しジャーマンスープレックス的な感じで終わっています。
これ、続かないと意味不明な作品として迷宮入りしてしまいそうです。
起死回生の一発を宜しくお願いしますね。