ツークツワンク さんの感想・評価
3.1
物語 : 2.5
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.0
キャラ : 2.5
状態:観終わった
実はわたくし、こんな悲しい過去がありまして(過去回想)
障害を持った王子が弟に王の座を取られ仲間のカゲと放浪の旅に出るも、陰謀渦巻く王国の危機に立ち上がり、王として成長していくという物語
あらすじや設定はディズニーやポポロクロイス物語みたいな感じなんですけど、それらと違うのは蓋を開けると悪い奴は一切おらず、基本全員善人というのが特徴
「最初は悪いやつに見えるけど実は〜」みたいな流れが終始続きます。
ヒリング王妃のくだりまではとても良かったんですけどね。
新キャラが出る度、悪い奴ムーブからの過去回想。
実はコイツにはこんな悲しい過去があったんですよってワンパターンを毎回やられると感動もなくなってしまいます。
それに加えて後半のミランジョ&ボッス王に関しては前者は与えたダメージのデカさ、後者は動機が微妙過ぎました。
過去回想で擁護するも非常に弁解が苦しく、この2人を中心に物語が回るのでキャラとして愛せるかどうかで作品自体の評価が変わると思います。
自分は愛せませんし、許すことができません。
でも許すということが王としての資質なのでしょうね。
バトルは引き伸ばしみたいな異常な間のせいで、作画が頑張ってたまにスピーディな動きをさせてもチグハグな感じになってしまってのめり込むことができませんでした。
途中から誰も死なない作品なんだなって透けて見えたせいか、バトル自体が茶番に感じてしまったせいもあります。
バトルよりも感情に訴える作風。
という割には粗を探すと気になる部分が後半一気に出てきます。
ミランジョ&ボッスの回想。いきなり求婚するダイダ。オウケンの心配をするも軽く流される可哀想な兵士とここら辺はもう完全に冷めてしまいましたね。
終わり方も、カゲがいないながらも王としてしっかり統治した姿を見せて、落ち着いたところで皆に任せて旅に出るくらいの方が良かったと思います。
側から見ると、掌返した家臣の冷たい空気感とカゲのいない孤独に苛まれて逃げ出したように見えてしまいイマイチ成長が感じられなかったです。
結局、王様ランキングとは何ぞやって感じですし、これからランカーと旅先でバトルや王としての資質で順位を競う展開になるのかな。
SNSで異様な人気を誇ってましたのでハードルを上げすぎたのかもしれませんが自分とは噛み合わない作品でした。
バガボンドの佐々木小次郎も聴覚障害でセリフが無いキャラということで苦手でしたが、やはりセリフを使わずにキャラを表現するのは難しいですし、メッセージ性と引き換えに面白さを犠牲にしてるとは思います。
この作品にいたってはカゲが殆ど翻訳してるので、そもそもその不憫な設定必要でした?ってのもありますが。