「新幹線変形ロボ シンカリオンZ(TVアニメ動画)」

総合得点
65.4
感想・評価
11
棚に入れた
37
ランキング
3345
★★★★☆ 3.4 (11)
物語
3.4
作画
3.4
声優
3.5
音楽
3.5
キャラ
3.4

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ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

オレとアイツを繋ぐマニア路線のシンカリオン

ロボに変形するプラレール玩具『シンカリオン』TVアニメシリーズ第二弾。
前作から数年後、一新した運転士少年たちが、新たな驚異に立ち向かう(全41話)

【物語 3.5点】
男の子同士の友情がメインテーマなので、根幹となる主人公運転士・シンと整備士・アブト。
二人の絆の扱いが大きくなること自体は無難なシリーズ構成。

が、その二人の友情が中盤以降、大規模化かつ重量化し、
他の設定が隅に押しやられバランスが極端になった感。
即ちアブトは(※核心的ネタバレ){netabare}宇宙人テオティであり、適合したダークシンカリオンに呑み込まれ、
地球人一掃を目論む敵陣営へと闇落ちする。{/netabare}
という事件後は、終盤まで重苦しい展開が続く。

闇が深い最中でも、前作キャラ登場が光明となるが、
それが息抜きになるのは前作からの乗り換え客のみ。
終盤以降は吹っ切れるが、新参者が完走するのは苦しいか。

マニアック路線進行中に、エヴァ、キティなどのコラボ回が投入され、さらにご新規さんをふるい落としw
私はゲンドウさんが弾けまくっていて楽しかったですがw
流石にキティ回はカオス過ぎて唖然としましたw
あ……ソウギョクさんとは一度、居酒屋で一緒に飲み明かしたいですw

但しコラボ要素も{netabare}『銀河鉄道999』メーテル{/netabare}はシンをアブトと繋げる重要な路線を提供したので意義はあったと思います。


【作画 3.5点】
メカニックデザインは服部 恵大氏。
複雑に合体しても二次元アニメーションも三次元プラレール商品展開も破綻しない職人芸は健在。

碓氷峠のアプト式列車からの物語開幕が象徴するように、
本作は新幹線だけでなく全国の在来線にも光を当てるサブテーマを内包しており、
シンカリオンも”ザイライナー”とZ合体することにより体現。

ただ私のお気に入りはダークシンカリオン・ケンタウロスモード。
巨大ロボは二足歩行より四足歩行の方が興奮する質な物でw


【キャラ 3.5点】
繊細な少年キャラ造形を用意するも生かし切れず。


前作主人公ハヤトは、好きを繋げる!と豊富な”鉄分”(鉄道知識)を動力源に、
全国のスーパー少年をキャラ立てしつつチームを形成するリーダーシップがあった。
一方、本作主人公シンは、熱中すると視野が狭まるオカルト少年であり、”鉄分”も整備士アブトの方が多いくらい。
非科学的な物は信じないヤマカサとぶつかった回では
自分の好きを否定されるとカッとなる子供らしい子供ぶりを見せるなど、
器の小ささからチーム存続に暗雲が立ち込める。

そんなシンが、宇宙人と友達になる!という絵空事を叶える所が本作の熱いキャラ成長なのですが、
年相応の彼にサブキャラの事情に構う空き容量などなく。
というよりアブトが大変だから、それどころじゃないんじゃ~。

主人公が好きを繋いだのではなく、宇宙人にアブトと、シンの好きに引きずられて、
チームシンカリオンが急造された感じw
この強引さもシンらしいと言えばらしいのですが……。


割を喰ったのはハナビとタイジュ。
メイン3機の両端とは思えない程キャラが薄い。

ハナビも、大人から見ればアレコレ手を付けて中途半端に見えるけど、
当の本人は子供なりに真剣。
「オレにとっては花火も、ロックも、シンカリオンも全部繋がってるんだよ!」
との親父への反発など地味だが良質な子供心を発掘。

タイジュも、力持ちだが、林業に引きこもるくらい引っ込み思案な性格を好表現。

繊細な少年像が練られるが、儚い心理故に、
もっとハナビ回、タイジュ回を巡って理解を深めたい所でしたが、
それが不十分な内にキティコラボ回を突っ込むwなど全体構成の粗雑さを感じました。


【声優 4.0点】
本格的な少年ボイスは初挑戦となった主人公シン役・津田 美波さん。
綺麗な高音で、宇宙を相手にしても友を救うと決意した演技、ゾクゾクしました。

シンの相棒・アブト役には鬼頭 明里さん。
大人びた少年ボイスをコントロールし、起伏の激しいシナリオを好演。
たまに覗く父性への渇望にグッと来ました。

マスコットのスマット役には福山 潤さん。
シャショットからの引き継ぎを難なくこなす辺り、
この方はベテランになっても芸域の広さで存在感を発揮するのだろうなと感服します。


【音楽 4.0点】
劇伴制作には前作の渡辺 俊幸氏に住友 紀人氏が共同参加。
勇壮な管弦楽で合体を後押しする渡辺氏のサウンドに、
シンセの和音をアレンジする住友氏のサウンドが幅を広げる。

OP主題歌はBOYS AND MENが『ニューチャレンジャー』で完投。
終始前向きに少年たちの夢を歌い続け、曲折のあった物語を支える。
本曲や前作主題歌『進化理論』のバトルシーン挿入でも貢献。

ED主題歌は4曲。
こちらは中盤以降シリアス化に伴いEDアニメもモノクロ調になり、
2曲目、3曲目と闇の中から友情の糸を手繰り寄せる重たい歌詞世界に……。
4曲目で闇を抜けKOTOKOさんで彩られた時は安心しました。

投稿 : 2022/03/21
閲覧 : 350
サンキュー:

7

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