栞織 さんの感想・評価
4.5
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
評判はよくないみたいですが面白かったです
これも映画館で見ました。実質的には最後のジブリ映画ということになるんではないでしょうか。米林監督作品ですが、宮崎監督や高畑監督や鈴木Pの名前が協力者で最後のクレジットに並んで出てきます。ですから、それらの人たちの結集で作られた最後の作品だと思います。そう思うと寂しいですよ。足掛け何年ぐらい見てきたんでしょうね。
原作付きですが、これも原作は最後まで読まずに映画館で見ました。非常に面白かったです。何かモブの人物が登場しないので監督が人間嫌いだとかいう評があるようですが、私はそうは思わなかったです。あれは、小さい子供の感じ方だと思うんですよ。小さい子供は自分に近しい人以外の人の顔は、ほとんど認識できないです。だから、観客もそういう層だということで、思い切ってその処理をしたんではないでしょうか。確かにふつうの一般社会を表していませんが、見た子供たちが物語に没入できるのでそれもありだと思いました。
お話はヒロインのメアリが少しおっちょこちょいで、縁あって魔法学校に入学しますが、最後にその魔法学校の秘密を解き明かして、封印されていた動物たちを救出するといったもので、わかりやすいストーリーです。途中校長たちがあやしげなのもよかったですよ。またメアリの家族の謎もわかり、うまく作られたストーリーだったと思います。見ていてすぐにわかるのは、魔法が原子力関係の暗喩で描かれていることで、今の世の中の風刺みたいになっています。背景設定なども非常に凝っており、メアリが死んだ祖母と逢う場面のステンドグラスのある館は本当にきれいでした。舞台は原作のイギリスのままでしたが、イギリスの田舎の自然が美しく描かれていて、トリップできたと思います。この映画はスタジオジブリではないから、宮崎監督作品ではないからだめだという風潮ですが、ジブリファンなら見て損はない映画です。