栞織 さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
GLものだけど、心に染みる
これも映画館で見ました。米林監督作品では「アリエッティ」が先なんですけど、「マーニー」の方が好きなので先にレヴューです。
これも原作を図書館で予習しようとしたんですけど、ななめ読みして、だいたいそんなもんかと思って映画館に行きました。なにしろ原作の舞台を日本の北海道に変えていると聞いて、たぶんまた違う話になるんだろうと思っていました。しかしこの作品はあまり原作とは差異がありません。かなり原作通りだと思います。
まずヒロインの杏奈の設定が、不登校生みたいな設定で、今の世の中に多い感じなのが刺さりましたです。特に冒頭の15分間は刺さりましたですね。すでにここで私の涙腺は緩みました。ただ母親と別れて北海道の親戚の家に行くだけの場面が、どうしてこんなにも悲しく見えるんでしょうか。ほんと絵コンテがうまいと思いました。杏奈の焦燥感や孤独感がひしひしと感じられるシーンになっていました。それで、ボートからマーニーに出会う場面ですが、非常に印象的なシーンになっていました。マーニーは白人金髪の設定で、普段の私なら気恥ずかしくなってしまう設定ですが、この映画ではそういう具合に思わなかったです。シナリオがよかったと思います。しかしここから太目の女の子が邪魔をする話だったのが、ちょっと見ていてよくなかったです。あれは必要なエピソードだったのでしょうか。しかし話には紆余曲折は必要だから、ああいうキャラも登場させねばならなかったのでしょう。
後はパーティの場面、塔の場面と、うまくつないでいたと思います。最後にマーニーの昔の境遇が明かされて、マーニーは亡霊だったとわかるのですが、それも怖い感じでなく爽やかに演出されていてよかったと思います。いわゆるGLものに分類される作品ですが、杏奈の心の成長もうまく表現されていて、いい映画だったと思います。マーニーの館が特によかったと思いますね。背景画を担当された方の本を読みましたが、考えて演出されていた事がわかり、ためになりましたです。主題歌もとてもよかったです。