徳寿丸 さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
甘くない転移モノ
原作既読?(2022.3)
「沈黙の艦隊」に続きかわぐち先生原作モノを。
連載開始は20年以上も前です。当時、自分も好きだった空想戦記モノ(紺碧の艦隊シリーズ等)が結構流行った後位で「戦国自衛隊」的なタイムスリップ系の海自版と思ってわくわくして読みだした記憶があります。
しかし、他の作品のように無双し大活躍の自衛隊の姿はそこにはありません。少し違いますが「GATE」みたく異世界に侵攻?し異世界人を殺しまくって英雄きどり(語弊はありますが)の自衛隊はそこにはいないのです。勿論、それらの作品は娯楽性を優先しており、勝ち続ける日本の優秀さと正義を御都合で塗り固めある種の爽快感で満たしてくれます(それはそれで悪くはない)。
しかし、かわぐち先生の描く世界は掲載誌にもよるでしょうがそれらの作品と比べれば重く生々しい、かといって戦争の残酷さ無常さ、悲惨さを殊更あげつらう事もなく一定の御都合をまぶし読む側に逃げ道を与えています。
そして登場人物に人間くささを纏わせ、それぞれの理想や信念を植え付け活き活きとそこで”生きる”人間を描きます。
そして、やはり我々に問いかけるのです。国とは?、正しさとは?、人間とは?
安易にウクライナ義勇兵に参加する日本人を称賛する人々には是非この作品で考えてほしいものです。
私のツボ:ほんと爽快感がないんだよね(笑)。