栞織 さんの感想・評価
4.6
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
見た当時は泣いた 今はいろいろ考えが出てきて
この映画は映画館で見たと思います。ただこれの前の「もののけ姫」は子育てが忙しくて映画館には行けなかったです。復帰後の最初の作品ですね。これ以降は「猫の恩返し」みたいな作品も含めて、「メアリと魔女の花」までだいたい映画館で見ています。
で、初見では泣きました。あのおでこツン場面でぼろぼろ泣きましたねぇ。その後湯婆婆を許してやる場面にはひっかかりましたが、感動作でした。しかしその後岡田さんの動画で「実は千尋には上に死んだ兄がいて・・・。」などの話を聴くにつけ、だんだん評価も変わってきてしまいました。私はあの母親はああいう人だと思ったし。それで当時ですかね、私は「ガサラキ」という右翼アニメにいれ上げていたので、その批判で豚に変わる両親が、「ガサラキ」の男性キャラにちょっと似ているのかなと思ってます。やはりああいう作品に入れ込むというのは、「中国共産党は人民を弾圧するのはやめろ」と天安門事件の時張り紙をするような人たちには、受け入れがたいものだったのでしょう。まあ「Vガンダム」でも私の同人活動への批判はあったと思いますが、この作品もそんな片鱗があるように思いますね。それで、個人的な話になりますが、ヒロインの千尋が私がOLの頃会社の部署で一緒に働いていた女性になんとなく似ていましてね。その人の方が課長受けはよかったから、いまだに課長さんから点数がつけられてそれなのかと思ったりします。その人に比べて私は劣っているから、豚にされた母親なんだなあと。そんなごく個人的な感想がありますね。
だから見た当時は映画のピアノ楽譜まで買いこんで、久石譲氏の曲を練習してみたりしましたが、それも今はほこりをかぶっています。テレビ放映されてもめったに見ませんね。赤千尋事件もありましたからね。あれも、作品中に日本の神様の名前を出したりしたことへの反動ででしょうか。共産党では自己批判しないといけないものと聞いています。しかしこんな風に右翼が左翼が、と思いめぐらさねばならない作品なのは、こちらが大人だからで、監督が子供は子供だけなんだ、と言われる意味は、そのような社会的な夾雑物がなく作品を受け止めることができるからだと思います。そういう意味では、本当に本作は上質の児童文学の再現であり、そのあたりに意図した事は、見事に映像化されていると思います。