ねるる さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.5
作画 : 5.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
昭和の田舎の描写が美しい、家族で見たい良作映画
原作小説未読。2009年劇場公開作品。
『この世界の片隅に』で有名な片渕須直監督作品。
アニメーションはマッドハウス制作。
〜あらすじ〜
舞台は昭和30年の山口県防府市。この地は1000年前の平安時代には、「周防の国」と呼ばれ都として栄えていた。主人公"新子"は、祖父から1000年前の話を聞き、昔の人々の暮らしを空想することが好きな少女であった。そんな新子の前に、東京から転校してきた少女"貴伊子"があらわれる。
自然豊かな土地で仲良くなっていく、2人の少女の友情を描いた物語。
全体的に昭和のノスタルジックな雰囲気と、田舎の自然豊かな描写が美しい映画でした。
田舎育ちの自分にとっては、子供の時に田んぼや、水路、昆虫や動物たちがすぐ側にいて、汚れや疲れなど関係なく夢中で遊んだ日々を思い出し、とても懐かしい気持ちになりました。
特に、風景にたくさんの種類の花が描かれていて、とても癒されました。こんな中で生きてたら、色んなもの空想しちゃうよなと、自然と共存してる生活がとても美しかったです。
ストーリーは、原作が作者の自伝的な小説という事で、基本的には少女たちの自然の中でのびのびと遊ぶ姿、日常が描かれますが、日常の中にも事件は起こり、そして"死"もすぐ側にあるという事を感じさせます。
子供たちの生命力たっぷりの元気いっぱい、空想いっぱいの生活の中にも、大人たちの現実世界は隣り合わせで、そういう隣り合わせの世界を見ながら子供たちは成長していくのかなって感じました。
特徴的なのは、主人公新子の1000年前の暮らしの空想が現実世界と交互に描写されている事です。正直あまり何を伝えたいかがよく分からなかったけど、子供たちの空想力発想力から得られる楽しい!っていうパワーは感じました。
子供たちの元気いっぱいの日々の中にも切ない場面があり、作品全体の雰囲気もノスタルジックでとてもいい作品でした。
子供向けというよりは、大人向け家族向けな作品と思います。この作品を家族で見て、自分の子供時代の話をしたり、故郷の話をしたり出来たらとても素敵なんだろうなって思いました。
ノスタルジーに浸りたい時、家族で何かアニメ見ようってなった時には、視聴してみて欲しい作品でした。