overnao さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
2000年代っぽい
エログロ要素満載のSFで、ポストエヴァ時代の2000年代らしい作品でした。
ハードコアなSF・哲学・宗教学要素にグロテスク描写に、安易なエロ・ナンセンスなギャグ・不自然に穏やかな日常描写が組み合わさって、良い意味でのアニメらしい気持ち悪さ(オタクっぽさ、アキバ系っぽさ、不気味さ)が感じられ、こんな作品日本じゃなきゃ生まれないだろうなと感じました。そういった意味で唯一無二の作品だと思います。
キリスト教系の宗教画・宗教音楽にインスパイアされた演出が洗練されており、加えて舞台である鎌倉の背景美術が美しく、エログロシーンとの対比が効いています。
以下思ったこと箇条書き
- 主人公の無能そうな優男感が実写の邦画っぽい。妻夫木聡あたりが演じてそう。
- 主題歌lillumの劇中での挿入がちょっとくどい。曲自体は非常に良いが、この曲をストーリー展開に関与させる必要はなかった気がする。
- 作中にレトロウイルスやベクターといった用語が登場するが、これらはiPS細胞の要となる要素である。また、レトロウイルスは昨今話題のコロナワクチンと関連する。原作者は発生科学分野に詳しいのだろうか。
- ストリーミング配信されているリマスター版の画質が鬼。どうやら原画が残っていたお陰でアップコンバートせずにデジタル化した為高画質を実現できたらしい。