えりりん908 さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
圧倒的作画。圧巻の愛。
私、基本的にはマンガとかラノベとか読まないんです。
鬼滅の刃も、第1期のスタートから大好きだったけど、
やはり原作マンガ、読んでないです。
だから、リアタイ視聴している時にも、
原作好きの方が、
「もたついてる」とか「ムダに引き延ばしてる」とか発言されていても、
全然ピンと来ませんでした。
だって、{netabare}何の過不足も無く、素晴らしい出来じゃありませんか!
たしかに、音柱の天元さんは、身内大事で、
炎柱の煉獄さんみたいな、博愛ではないかも知れません。
煉獄さんのように、全身全霊ですべて護る。
これ、格好いいけど、打ち負かされた時、
どうしようもなく、危険!
一方の天元さんは、まず身内から。
護れるものだけは守る。
現実的で、確実性があると、思います。
このあたり、武家の出自と、忍者の家系の違いかも知れません。
でもどちらがいいかではなく、
どちらもそれぞれに、正しい生き方なんだと思えるんですよね。
だから、そのへんは、「どっちもあり」ということで。
このストーリーの本領は、
「柱」ではなく、鬼滅隊下っ端の、炭治郎たちにあると、
どうしても思えるんです。
ここが、最後は柱がメインだった無限列車編と根本的に違う!
そう思います。
そして、無限列車編劇場版以上に、
テレビアニメだというのが信じられない、
凄い作画!!!!!!
速い!早い!ハヤい!!
私、バトルシーンの遣り取りが見極められなくて、
何度もスローでリピートしちゃいましたもん!
で、凄いのが、スローで、時には静止画で見ても、
どんなシーンも、すごく丁寧に、綺麗に描かれているんです!
構図のバランスとか、キャラの書き込みとか、
ホント、びっくりするぐらい!
これだけで、
アニメが好きな方なら、絶賛だと思います。
・・・・・・・・・
でも、私が、本当に惹かれたのは、
登場キャラクターのバックグラウンドの、見事な描かれ方。
立志編でも、無限列車編でも、
鬼の思考とか鬼の考える正義とか、描かれていない訳ではなかったと思います。
でも、この、遊郭編では、
敵対する鬼の兄妹の、その生き様、死に様、人に対する恨みと怒りと悲しみ。
描かれ方が、半端ではないんです!
太平を謳った江戸の世に、
人としてすら認められず、
最底辺で生きて来た兄妹。
この二人への、侍と遊郭の女将からのむごい仕打ち。
竈門一家が鬼に惨殺された理不尽と、なんの違いもありません。
たまたま、自分たちを殺したのが、
人間だったか、鬼だったか。
それだけの違いでしかなくて、炭治郎兄妹と鬼の兄妹とは、
まるで合わせ鏡。
炭治郎が鬼の殲滅を誓うのと同じか、それ以上に、
奴夫太郎・堕姫兄妹には壮烈で絶望的な過去があった訳で、
これは立場が違えば、そのまま炭治郎と入れ替わってもおかしくないってぐらいの、
悲惨極まりない人生だったのだから、
侍や遊郭女将に象徴される「人間」を恨み、復讐する資格って当然あっていいと思うけど、
それをも越えて、鬼を殲滅したいと願う、炭治郎の。
鬼に会ってさえも、
理解をして、許し合うことを願う。
悲しいさだめに生き、死んだ人たちを思う、
優しさが。
本当に、壮絶で。
美しい。
そういう話だったと、思います。
{/netabare}