nyaro さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 2.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
天文は舞台設定でしかないです。本当に暇な時向けの大量生産型のJK日常モノ。
恋してねーというのはきらら系なので仕方ないでしょう。恋する惑星という映画あるいは曲があるのでそこから題名をもらった感じでしょうか。
題材はいいですね。がっつり天文、地学のウンチクの話というよりは、自分の目標に向かって挫折を乗り越える、というのが本筋になります。
ただ、部活モノとしての天体観測のリアリティはどうでしょう。2話の天体観測の場面で、メモが読めるほどの灯りの場所というのはどうかと思いました。普通は赤いフィルター付きの懐中電灯が登場する場面ですけど、その辺の表現がなかったですね。(アニメだと見たことないかも…マンガで「よつばと」にはちゃんとありました)。原作者あるいは絵コンテの片に天体観測経験がないんでしょうかね(なおLEDライトだとオレンジ色)。それとも赤い画面が面倒とか作画予算の関係でしょうか。
その割におもいっきりVIXENのロゴは目立ってましたね。タイアップ?
一応「科学する心」を表現するエピソードもありますが、小惑星を探したいという強い願望のわりにはそれに向かった努力が人に聞くばかりでしたね。実際は高校生どころか小中学生が天文台のイベントで小惑星を探していますよね。
石垣島に行く金があったら、個人で天体望遠鏡と一眼レフを買って毎日撮影すればいいのに…あるいは天文台が提供するデータをパソコンで比較すればすればいいのに、というのはちょっと意地悪でしょうか。
また、天文、地学の話のわりに残念ながら画の見せ方がちょっと残念でした。人物の作画が安っぽいのは予算の関係か仕方がないでしょう。ですが、こういう話こそ石とか地形とか天体はもう少しなんとかできなかったかなあ…
それと勢いで直談判はストーリーとしてはありでも、努力の方向として首を傾げました。天体発見って1回のイベントに参加すれば夢がかなう…的な単純なものじゃありません。労働以外のすべての時間を捧げて一生かかってもかなわないかもしれない夢です。
夢を追うキャラを中心に置いたわりには、その夢の追い方が非常に不自然で甘い感じがします。つまり、地学部の設定がゆるい舞台設定でしかないのと同様に、キャラの設定もユルユルで奥行がないということです。
石垣島行きの行動に説得力がないし、独自の工夫も主体的ながんばりもなく、仲間にくっついて行く努力をした自己満足だけです。短絡的すぎて感動できません。
なお、今しらべたら原作者は天文部だったけどあまり真面目に活動されていなかったみたいですね。なんとなくわかります。
じゃあ、話がすごく面白いとか演出がいいとかあるかというエンタメ部分も、フツーの量産型のJK部活ものですし。構成として最後に大きなイベントがあるのはまあ、マシだったかなあ、というくらいです。
総評すると乱造型のきららJK部活日常系のわりには目標に向かうという物語の構成はちゃんとできていました。地学や天文学の知識もあっているのでしょう。ですけど中身ですね。なんというか本気で天文学に取り組むような姿勢がみられません。つまり、それが原作者の姿勢でしょう。大量生産型のJKの日常で部活選びで天文をなんとなく選んだだけの話ということです。つまり、すべてが中途半端ということです。
本当に暇なときに時間つぶしにはなるかなあ、というレベルでしたけど、今は他に優れたコンテンツが沢山ありますから、そんな暇はないですね。結構後悔してます。
追記 先ほど皆さんのレビューを確認したら、リアルタイムの人の評価が高いようです。マンガ連載ということもあるので、ひょっとしたら週1の癒しタイム用のアニメで、一気見は評価としては厳しくなるのかもしれません。
ただ、一気見でも面白く作らないと後世に残らないどころか、商売にもなりづらいと思います。どんな感じでしょうね。