えりりん908 さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
「表現すること」への覚悟と熱情に圧倒されます。
お正月休み、録り貯めしておいたのを、一気視聴でした。
本当に、一気視聴向きな、
凄い気合いの入った傑作だった、と思います。
美大受験については、何となく
「デッサン勉強しておいて、構図が上手ければ合格点」という認識でしたけど、
東京藝大だけは別格で全くの別物!!!
っていうのは、知っている藝大卒業の方から、
ボンヤリ聞いてはいたんですけど、{netabare}こうしてリアルな感じでみてしまうと、
ホント凄い!です。。。
デッサンの1次試験では構図だけではなくて、
すでに自己表現のレベルとクォリティを容赦なく選別される!
これが、創作ではなくて、おそらくは実話に基づいているということに圧倒されます。
2次試験では裸婦が素材の油画創作。
武蔵多摩が美大のハイスペックブランドだと思っていましたが、
これはもう、全然次元が違いますね。
しかも、同じ藝大でも、
卒業後の展望が推測できる音楽系とは全然別で、
せっかく藝大を出ても、デザイン系の少数の卒業生を除いて、
絵画とかクラフト系の人たちって、なんの保証もアテもない世の中に船出するのですよね。
こんな時代に酔狂な・・・とも思いますけど、
だからこそ、若い時期にすでに老成していくほどの、
表現のありかたととことん向き合う人たちだけが、
勝ち取れる世界なのかも知れません。
絵画経験ゼロからスタートして、
2年足らずの期間で藝大合格を勝ち取る、
そんな鬼気迫る修養との相克が鮮明に描かれていて、
曲者だらけの美大系受験生の描かれ方も上手くて、
人間の、表現行為への希求と可能性を否応なしに突き付けられる。
そんな素晴らしい作品でした。創造することに執り付かれ、自己を削っていく{/netabare}情熱の温度の高さ、堪能しました。