ねるる さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
ジブリ感と夏の暑さを感じるロードレースを描いた短編映画
原作漫画未読。上演時間47分の短編映画。
~あらすじ~
スペインの自転車ロードレース、「ブエルタ・ア・エスパーニャ」を舞台とし、主人公"ペペ"が地元への思い、兄への思い、かつての恋人への思いなどを抱えながらも、"プロ"のロードレーサーとしてレースに挑む姿を描いた作品。
短編ながらも雰囲気の良い、味と熱気のある作品でした。ジブリ作品と関係の強い方達が多く関わっているらしく、絵柄、ストーリーと全体的にとてもジブリ感がありました。
物語的には、主人公ぺぺの"男"として、"プロ"としての、"負けられない戦い"を描いているので、熱さと爽やかさ、良い青春ものを見たような清々しい気持ちにもなる作品でした。
自転車ロードレースの大会が舞台なので、最初から最後までずっと自転車で走り続けています。競技中の実況解説と共にストーリーが進むので、リアルなレース感があり、全編とても疾走感がありました。また、舞台となる主人公ぺぺの地元アンダルシアの「アフリカのような暑さ」といわれる気温も、レース中の選手の息遣い、映像と加わって、相当な熱気として伝わってきました。
暑くて熱いレースの最中に、美味しそうなご飯とお酒が出てくるのが魅力的。作中に登場する茄子のアサディジョ漬けと赤ワインがとてつもなく美味しそうでした。食べたい。
全体通してキャラクターたちのセリフが多い訳では無いのに、悔しさや意地、託す思い、ちょっぴり切なくて温かい感じが表現されてて秀逸だなと思いました。
主人公の声優を俳優の大泉洋さんが務めていますが、主人公のキャラクター性と俳優大泉洋のキャラクター性がリンクしている気がして、とても良かったです。実写化あったら是非演じて欲しい。
自転車の車輪音も心地よく、暑さと音と映像とで作品の空気感に没頭出来ました。
弱虫ペダルが好きな方、ジブリの空気感が好きな方にはオススメしたい作品です。