元アニメーターのオジ さんの感想・評価
3.4
物語 : 3.0
作画 : 5.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:今観てる
さり気ないが奥深い作画
元アニメーターなので作画に限定してレビューしよう。
現在、6話まで視聴。
各話数にまんべんなく40代後半から50代(中には60代も!)のベテランアニメーターが配されている。
彼等は皆、作画監督経験者で《自然な人体の動き》に定評のある人達だ。
結果として、作画枚数が然程多い訳でもないのにフルアニメーション張りの実に自然な動きが描かれている。
《振り向く時には肩から上が連動して動き、最後に頭が少し傾く》
《腕を広げる時には肘が回転し、掌がやや上向きになる》
《歩き始める時には一瞬、身体が前傾する》
これらはTVアニメでは余り描かれる事が無い。
日本アニメの主流《3コマ録り》では描かなくても良しとする《お約束》が有るからだ。
もちろん描いた方がより自然な動きになるし、そういった作画をファンが《神作画》等と呼んだりする事もある。
しかし《神作画》が目立つという事は、それ以外の部分が良くも悪くも《手を抜いている》という事でもある。
この平家物語の作画が《神作画》の連続だという事に気付いたファンはどれ位いるだろうか。
奥野史子氏原案のキャラは線も少なく誤魔化しも効かない。
本当に《上手いアニメーター》が描く《神作画》が如何に自然でさり気なく、しかし実は非常に奥深いという事が良くわかる良作だと思う。