テナ さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
HERO
街で事件や事故が発生するとHERO達が駆けつけて、それをテレビで流して事件や事故から市民を助けるHERO達の姿をエンターテインメントとしてテレビ中継されている世界の物語です。
HEROと言えば誰でも1度は憧れるのではないでしょうか?
これは、2人の主人公の虎徹とバーナビーのHERO物語です。
私は主人公の1人である鏑木虎徹が1番かっこいいと感じました。
なので、この主人公を中心にレビューを描いてみたいと思います。
鏑木虎徹……HEROは人助けするとポイントが貰え、そのポイントがHERO達の人気や話題性に繋がるのですが、ランキング最下位のオッサンです……
何故なら彼は人助けで物を壊しまくりの問題児HEROです!
1話でも自分のスキルのハンドレッドパワーで犯人が占拠したモノレールのレールをねじ曲げます……物を壊す問題児HERO
彼の雇い主のベンさんも頭を悩ませます。
人助けして物を壊すのは迷惑です!
HEROだからって闇雲に物を壊していい理由にはなりません!
物を壊さないで救出が出来るならその方がいいに決まってます!
そんなHEROなんて解雇してやればいい!
じゃ、何故ベンさんは、それでも虎徹を応援するのか……雇い続けるのか……
それは、鏑木虎徹が物を壊してまで人助けをする本当の意味を知っているからです。
彼はHEROアカデミーに呼ばれた時に在校生に「市民の命を守るのが最優先だ!その為なら物を壊していい」と発言しています。
この発言は若干問題発言ですが……一理あると思いませんか?
命より大切なものってなんでしょうか?
世の中に大切なものは溢れていますよね?
でも、もしも誰かの命と物が天秤にかけられたら優先されるのはどちらでしょうか?
確かに無闇に破壊するのはダメですが……
例えば、乗り物をジャックした犯人が人質を捕らえている状態で運転手にブレーキを掛けさせたら命が奪われるかもしれない。
じゃ、レールを捻じ曲げたら?捻じ曲げて道を無くしたら止まるしかなくなる。
止めるより、止まらせるべき理由を作らせ犯人にブレーキは仕方ないと思わせようとしたのかもしれません。
彼が物を壊すのは人命の為です。
物を壊してでも優先させるべき事を知っているからです。
確かに無闇に破壊する必要はないですが、彼は本気でHEROとして命を掛けているからなんです。
本気で命を守りたいから、市民の命を守るのに必死で周りが見えなくて破壊してしまう。
それでも、そんなHEROとしての彼の優しさを知っているからベンさんは彼を解雇しないし、自分が会社を閉める時に次の雇い主を紹介してくれた。
HEROならポイントも欲しいし、会社としてはランキングも意識したいと思う。
それでも、ベンさんはランキングについては何も言わない。
物は壊すなとは言うけど、それ以外は目を瞑ってくれる。
それは、鏑木虎徹の人間性を理解しているから。
何よりも人命を優先ってHEROとしてのカッコ良さも感じました。
そして、虎徹の奥さんです。
彼女は病死してしまっています。
虎徹がお見舞いにきていて体調を崩していた時に事件が起きて招集がかかります。
虎徹は最初は行くのを渋っていました。
だって、大切な人が苦しんでるんだもん……
傍に居てあげたいよ!
でも、妻は虎徹の背中を押します……仕方なく虎徹は仕事へ向かうのですが、虎徹が出た瞬間に病状が悪化して亡くなられます。
でも、私は、この奥さんの気持ちが凄く解るんだ。
虎徹ってドジだしギャグも寒いし、直ぐに調子に乗るし、脳天気だし……でも、信念はしっかりあって優しいし良い所も沢山ある。
でも、バーナビーも言ってましたが、彼が頑張るのは、いつだって誰かの為だったりします。
私は、奥さんが虎徹を好きになったのは、HEROとして誰かの為に頑張ってる姿がカッコよかったのが決めてだったのかな?って
HEROとして、人として、誰かの為に頑張る旦那の姿が彼女の誇りだった。
勿論、本当は傍に居て欲しかったと思う。
でも、街で沢山助けを求める人がいるのに、そんな人達から目を背けて病院で心配そうな顔してる旦那より……
HEROとして沢山の人の助けする旦那
HEROとして頑張ってるカッコイイ旦那
彼女が最後に見たい姿はそんな姿のはず。
彼女は多分、自分の命が長くないのが解ってた。
だから、最後までHEROとしてのカッコイイ旦那の背中を見をみたかった。
彼女が1番好きなのは、そんなカッコイイ虎徹で、病院で心配そうに眺める虎徹じゃないんだもん。
だって、そんなの妻としては誇りじゃん。
どんな時でも誰かを守っていて、そして自分を大事にして優先しようとしてくれる優しさ。
カッコよすぎるよ!
だから、奥さんは虎徹にHEROであり続けたかった。
さて、次は虎徹の父としてのカッコ良さ。
虎徹にはカエデと言う一人娘が居ます。
仲は……そんなに良くはありません。
父として娘Loveの虎徹を娘は嫌がりますw
見てても、このパパうぜェってなりますw
でも、虎徹って親心を本当によく再現されたキャラクターなんです。
親ってなんか毎回変な物を買ってくるんです。
服とかでも、ダサいのとかセンスないのとか、絶対に自分には似合わないだろうと思うもの。
私も散々、要らないとかダサいとか、こんなの使わないとか、言ってきた人ですw
作中に出てくる、HEROのドラゴキッドはボーイッシュな女の子で親から貰った髪飾りを似合わないって付けないのですが、虎徹がその髪飾りを付けてあげて欲しいと説得します。
親として、自分が送ったものを拒絶される寂しさを語ってくれます。
他にはHEROのブルーローズとのやり取りも、ブルーローズは虎徹の優しさに惚れてしまうのですが、虎徹がブルーローズに接する姿って父親なんですよね。
ブルーローズに娘のように接する姿が本当に父親の姿で、見ていて虎徹も娘が居るから、ブルーローズにも似た接し方をしてるなぁ〜って凄く感じれるくらいに、パパ力が高めですw
タオルを汚してしまい代わりにあげたタオルw
後に彼は、アレをいいタオルと話してましたが、鏑木酒店って兄の店の粗品タオルじゃんw
このシーンみて、年頃の女の子にあげるタオルじゃねーよ……って思いましたw
でも、オッサンって時々変なモンくれるよね…………なんかリアルでしたw
まっ、ブルーローズも気に入ってたからいいのかなww
で、虎徹はある日から能力が減退します。
そんな時に悩んで実家に帰り娘と再開します。
でも、虎徹ってあんな性格だから娘の寂しさとかが理解出来ないで娘に嫌われてしまいます……
でも、虎徹は兄から娘の寂しさを聞かされます。
お母さんが居なくなり、お父さんは都会で仕事をしている。
今は、おばあちゃんと2人だけで暮らしているけど、おばあちゃんに何かあれば自分は1人になるかもしれない。
そんな恐怖と寂しさを小学生の女の子が抱えて生きている。
それはどれくらいの恐怖と寂しさでしょうか?
親の心子知らず、なんて言葉がありますが、そんなのは子供も同じですよね。
子供の気持ちを分かってないのは親も同じなんです。
誰かに言われてやっとわかる。
それを知った彼はHEROを辞める決意をします。
能力が減退してるのもあるけど、何より娘の傍に居てあげたくて……
この決意を聞いて私は、父親としてのカッコ良さだぁ〜って思いました。
カエデがトラブル巻き込まれて救うシーンも父親としてのカッコ良さに気がつきましたが、やっぱり決意が1番かな?
ただ、辞表だしに行って辞表を出せなくなるのはダサいなぁ〜と感じましたww
次は、パートナーとしてのカッコ良さです。
最初はHEROの仲間内でも少し腫れ物扱いの虎徹さんw
相棒のバーナビーも最初は虎徹を見下して居ましたが、他のHEROを初めバーナビーも虎徹への信頼が上がっていきました。
バーナビーは両親を殺したウロボロスと言う組織と犯人を追ってHEROになりました。
最初は復讐に囚われてHEROポイントの為にHEROをしていた感じでしたが、虎徹と共に困難を乗り越える度に信頼していきます。
ジェイクとの戦いも戦略を考えてくれたりもしましたし一緒に困難を乗り越える度にHEROとして先輩としての接してくれたり、両親殺しの真犯人が解らずに苦しんでいる時も一緒にいてくれたりと。
パートナーって素敵だと思いました。
秘密にしていた能力が減退した事が偽タイガーとの戦闘でバレてしまいます。
バーナビーは「何故話してくれなかったんですか!」と言います。
わかるよ。
パートナーだもんね。
話して欲しいよね。
何だか話して貰えたら信頼してくれてるって感じるしサポートだって出来たもんね。
言って欲しい……
でも、多分言えないよ。
信頼もしてるし頼りにしてるよ。
聞いても欲しいよ……でも、虎徹も言っていたけど心配掛けたくないんだよね。
HEROなんてしてると危ないし、それを相談してなくて何か起きてしまうかもしれないし、仕事だから報告の義務もあると思う……
でも、やっぱり心配掛けたくないんだと思うんです。
もし知られないで、これの先もやっていけたらって思ってしまう。
そんなのは自分勝手な意見だって解っていても……心配してくれるのは嬉しいけど心苦しいし……大切なパートナーだからこそ変わらずに接してもらいたいって思ってしまう。
虎徹を自分に置き換えた時に私も言えない側の人間だなぁ〜って。
心配してくれる側も負担には思わないと思う。
話して貰えたら嬉しいし助けたいって思うし、関係性も崩れないって思う。
それでも、やっぱり言えないなぁ〜ってw
さて、ラストは、やっと虎徹がHEROを引退すると発言出来ます。
それを聞いたバーナビーも両親の仇を取り引退する。
事実上の解散ですね。
1年後……虎徹はワイルドタイガー1Limitとして再来しますww
ただ、以前の様に能力は4分間も 続かず今は1分しか使えなくなってしまいました。
以前のように最前線ではなくBリーグですが頑張る彼の姿がありました。
相変わらず、おっちょこちょいで……
それでも、死ぬまでHEROを続ける事を決意する。
「1人くらいカッコ悪いHEROが居てもいいじゃないか」彼の決意とセリフにカッコ良さを感じました。
そんな彼のピンチに駆けつけたのはバーナビーでした。
虎徹が復活するならバーナビーも復活する。
なぜなら彼らはパートナーなのだから。
HEROってさ、テロリストから誰かを救い出したり、危険が迫ってる人を助けたりなんて、そんなHEROにはなれないかもしれない……
でも、HEROってそれだけじゃなくて。
例えば近くで困ってる人や泣いてる人に手を差し伸べてあげたりとか誰かの助けになったりする人は皆HEROなんじゃないかな?って。
そこに大きい小さいはなくて誰かの為に頑張れる。
その中で、少しドジ踏んでも、ボロボロになっても、頼りなくても、誰かの為に頑張れる人はカッコイイHEROではないでしょうか?
虎徹は自分を、かっこ悪いHEROなんて言ってましたね。
確かに以前の様には力を使えなくなりましたが、市民の平和を守ろうとする彼はカッコイイHEROではないでしょうか?
虎徹を見てるとそんなふうに感じます。
さて、まとめにはいるとHIROものですが、ストーリーは中々面白くOPも歌詞がカッコイイしこのHERO達の背負うスポンサーがまたリアルなんで、その辺も見せ場ですね。
ただ、HEROにもかなり活躍するHEROやあまり出番ないHEROとか疎らで、もぅ少し出番増やしてあげたらいいのになぁ〜とは思いますが2022年4月には2期シリーズも始まりますし、かなり期待出来る作品の予感です。