まぁく さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
ハイペースな展開
異世界転移俺TUEEE系アニメにおいては割と初期の作品ですね
評価が高かったので最近視聴してみました
とはいえ、さすがに8年経った今となっては、リアタイで観た方と同じ心境では望めません
これは、類似するテーマが後発アニメで多く見受けられため、どうしても後発の良質な作品に印象が引っ張られるためです
というわけで最近の異世界モノに慣れ親しんだ人にはオススメしかねます
私はその点は別段気にしないので大丈夫だったのですが、別の部分に引っ掛かりがあったので、その辺を加味してレビューします
おすすめポイント
◆俺TUEEEなんだけど頭脳系
主人公3キャラは元から超常能力キャラで、異世界転移した後も自分達の強さを自覚したまま行動します
この強さを武器に、弱小勢力に加担してゲーム勝負で下剋上していくわけですが、序盤では当然のようにワンパンです
ところが、ゲームの勝利条件に修辞表現的な謎めいた文章が出始めてから、常勝街道の雲行きが変わっていきます
単純な力押だけでなくミステリー的な謎解き要素が加わり、勝敗が複雑化していくなか、これを打ち破って行くのが作品のミソとなります
地球の古代の神話や、中世ヨーロッパの世界史を題材とした謎かけや、それを利用した罠やトリックの解決は中々面白いです
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違和感を感じた部分
◆え!?このプロットを10話でまとめたの?
本作のプロットは13話使っても駆け足にならざるを得ないと感じました
私は原作未読ですが、恐らくオリジナルは、謎を解決のための歴史の蘊蓄やヒント等、結構な文章量が割かれていたのではないかと伺えます
(アニメの脚本からその片鱗が伺えます)
しかし、これをたった10話で纏めようとした結果、前述のオススメポイントが原作者の意図通りに表現できていたのかどうかは疑問が残るところです
ミステリーにおける謎解きのプロセスがブツ切り感があるため、決着までが非常に淡泊となってしまった印象です
人によっては「テンポが良い」と感じるかもしれませんが、私としては不満足なシリーズ構成でした
◆問題児って一人だけじゃん?
アニメ化範疇において、良くも悪くも問題児は男主人公の十六夜だけに見えました
まぁタイトル詐欺は今時珍しくもないですが、問題は十六夜だけが突出して活躍してしまっている点です
女子勢も個別で活躍しているシーンもあるのですが、メインプロット的には
描写が弱く、なんとも残念です
これもプロットを切りすぎた弊害だと思うのですが、もう少しチームで戦っている感じにはならなかったのでしょうか?
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2013年作品という事もあり、Web小説原作の異世界アニメはまだ手探りだった時代であったかと思います
そのため、原作のポテンシャルはありながら、ツギハギ圧縮アニメとなってしまった印象です
これは企画・製作段階でのジャッジミスと感じました
作画自体は安定していますし、キャラ良く描かれているため、クオリティは高いです
とはいえ、類似作も多くなった令和の今となってはあえて視聴する意義は薄そうですが、ハイペースな展開が好きな方には今でもオススメできそうですので是非