ひろたん さんの感想・評価
3.6
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
内容がすごく鬱、展開はもはやギャグ。そして、主人公のクズっぷりは実は意図されたもの!?
タイトルから未来のために奔走する柔らかファンタジーを想像していましたが・・・。
全然違いました、私の考えが甘かったです。
この物語は、未来が記された日記を頼りに行うサバイバルゲームでした。
12人の参加者が最後の一人になるまで殺し合いを行います。
当人同士でやってくれればいいのにまわりを巻き込んで大量殺戮状態がエグイです。
人がたくさん死にますが最後はそれすらどうでもよくなる展開がまっています。
■とにかく疲れる
{netabare}
まず1話目。
アイデアの良さや謎のヒロインとの出合い等、つかみ要素はよかったです。
次に2話目。
展開がもはやギャグなのに内容がすごく鬱で、とても白けてしまいます。
この時点で切ろうかどうか迷います。
しかし、3話切りという言葉があるので、とりあえず継続しました。
そして3話目。
ヒロインの謎が少し明かされてきます。
「これ、やばいヒロインから逃げられないやつじゃん」と言うのがわかります。
ある意味1つのジャンルとしてありそうな、面白そうな展開です。
あとは先が気になる展開と、鬱で白けるような展開が交互に繰り返されます。
とにかく疲れます・・・。
{/netabare}
■コンセプトは、とても面白い
{netabare}
面白いと思う点は3つあります。
まず1つ目。
未来が分かるから、その裏をかいてどんどん未来を変えていこうとするところ。
よく見る過去改変ではなく、あくまでも今を時間軸に進む未来改変が目新しいです。
次に2つ目。
物語の内容的には、タイトル通り、常に未来へ未来へと進んでいます。
そんな中、視聴者が常に意識させられるのは、今よりも未来がどうなるかの方です。
そのはずでした・・・。
しかし、実は、その外側の時間軸において過去へ戻ってきていたと言うオチ。
つまり、未来を変えているはずが、過去改変の延長線上だったことです。
なかなかだと思いました。
そして3つ目。
ヒロインそのものの謎が面白いです。
ヒロインは、初めて登場した時から謎が多くてあやしい存在でした。
そのヒロインの謎を徐々に解き明かしていくのがこの物語の醍醐味です。
そして、視聴者は、その謎はあくまでも今の時間軸上で考えさせられてしまいます。
でも、実は、過去に戻ったヒロインが過去の自分とすり替わっていたと言うオチ。
つまり、謎の"因果"がまったくもって別の時間軸上にあったと言うことです。
これもなかなかだと思いました。
話の根幹だけ見れば非常に面白い作品だと思います。
{/netabare}
■でも、あまり面白くない
{netabare}
この作品は、コンセプトはよいのですが、正直、あまり面白くはありませんでした。
先の展開が気になり観てしまう、それをもって面白いかと言われると違う気がします。
鬱展開だし、退屈だし、眠たいし、イライラするし。
それでも、先は気になるからどんどん観てしまう・・・。
なんだか自分の気持ちが二律相反で精神的におかしくなりそうな気がしました・・・。
{/netabare}
■主人公のクズっぷりは実は意図されたもの!?
{netabare}
この作品は、登場人物がすごく多いのですが、まともな精神のキャラはでてきません。
そして、誰一人として感情移入できるキャラもいませんでした。
特に一番感情移入できないのは、クズキャラでイライラさせられる主人公です。
この作品をつまらないものにしている元凶だと思っているのですが・・・。
でも、実は、これがこの物語の意図だったとしたらすごいことです。
その意図とは、この主人公をひたすら嫌われるキャラに仕立て上げることです。
そして、視聴者は、まんまとその術中にはまっていたのではないかと思うのです。
それは、この主人公をひたすらダメに描くことによって最後に納得感がでるからです。
つまり、この主人公をこの世から追放して、平和な世の中が取り戻されるからです。
{/netabare}
■結局、元凶だったはずのヒロインに最後は救われる
{netabare}
大切な思い出がすべて消滅するとしても、その運命を選べるか?
この物語でも、そんなタイムリープの命題を最後にヒロインに突きつけます。
そして、ヒロインの最後の選択は、主人公を愛する気持ちへの素直な回答でした。
それは、とても切なく、あっけいない終わり方でした。
そこで、ふと気づきます。
最初から最後まで自分の意志を貫いたのは、ヒロインだけだったと言うことに。
結局、この滅茶苦茶な物語の唯一の救いが元凶でもあったヒロインでした。
{/netabare}
■まとめ
コンセプトや物語の根幹は、とても面白いと思いました。
しかし、物語全体としては少し微妙だったかなというのが素直な感想です。