「かぐや姫の物語(アニメ映画)」

総合得点
64.9
感想・評価
291
棚に入れた
1193
ランキング
3587
★★★★☆ 3.8 (291)
物語
3.6
作画
4.2
声優
3.6
音楽
3.8
キャラ
3.5

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camuson さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

印象度:89

日本最古の物語小説「竹取物語」の映像化作品です。

原作小説は日本人なら誰でも知っている有名作品の割に
意外と映像化作品が少ないような気がします。
(調べてみたら市川崑監督の映画(1987年)がありました)


まずは、なんと言っても、絵が素晴らしいです。
背景、人物ともに水彩画の風合いの手書きです。
境界線の明確化と色彩の単純化、つまりは塗り絵の絵柄が、
いわゆるアニメ絵の特徴なわけですが、
それを崩す挑戦を老舗ジブリがしてきたことを評価したいです。
渾身の一作です。

お話的には、原作は短いので、
どこを膨らますかがポイントになるかと思います。
本作では、かぐや姫が一瞬で大きくならずに、
少しずつ育つように改変しています。
これが、理にかなっていて成功していると思いました。
赤ん坊から幼少期という一番愛らしい時期を描くことで、
受け手によるかぐや姫に対する愛着、
じじばばによる「わしが育てた」感を高め、
貧しい村の豊かな自然の中での村の子供たちとの交流を描くことで、
かぐや姫による地球生活への愛着を高めています。
これによりラストシーンの別離の感動が何倍にも増幅されています。


キャラクターの造形も、マンガチックに戯画化されていて、
多彩で、凸凹で、かなり冒険したものになっています。
特に本作オリジナルキャラ、横長の侍女のハマリ具合が絶妙です。
天皇もめっちゃ鳥肌立つくらいキモ格好良くてイイです。

かように大胆な改変を行っているのですが、
それでも要所要所で、原作に忠実だなと思えるさじ加減が素晴らしいです。

和歌や故事成語的なもの、言葉遊び的な部分を
ごっそりと省略したのも潔いと感じました。

投稿 : 2022/02/08
閲覧 : 236
サンキュー:

5

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