れるびい さんの感想・評価
4.1
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 3.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
何この曲、異次元すぎる。田中さん恐るべし
絵が綺麗なので気になっていた作品。
アニメは、きらら系でよさこい部を作って踊る中学生の部活ものです。
感想は、かわいく爽やかでした。
個人的に曲があまりに衝撃的でアニメの内容があまり
頭に入って来ないという事態に陥りました。
今回のレビューはちょっと特殊で、OP曲についての深堀りです。
かなりマニアックな内容なので音楽に興味のない方はブラウザバック推奨です。
OP曲は田中秀和さん作曲の「花ハ踊レヤいろはにほ」という曲。
↓↓↓
https://www.youtube.com/watch?v=1JyA22sPbqk&t=9s
僕は音楽系の学校で作曲を学んできて
実は副業でBGM等の販売もしているのですが、
ジャンルを問わず曲の分析をする事は学生の頃からの
僕の癖と言うか、趣味と言うか日課なんです。
「花ハ踊レヤいろはにほ」を初めて聴いた時、
普通に良い曲だな~と思っていました。
でも何か不思議な響きだな~と。。
本気で耳コピしていくと、頭の中で大量の
???マークが発生してきました。
長いこと色んな曲を耳コピしてきましたが、
こんな構成の曲にはほとんど出会った事がありません。
他の曲で例えようと思っても、ちょっと思いつきません。
アレンジすごいな~とか、良い曲だな~とか思う曲は
もちろんその都度たくさんあるのですが、
曲の構成でこんなに衝撃を受けたのは10年ぶりくらいかもしれません。
田中秀和さんと言えば通称「田中aug」とも呼ばれる
ブラックアダーコードを多用する事でも有名ですが
今回はそういうコード単体の話でもありません。
すごいのは、一見普通の曲なんです。
でもやってる事は全然普通じゃないんです。
何度も繰り返されている転調は思春期の不安定さを
表現しているそうです。
聞き流しているだけではその転調にすら気づけない程巧妙です。
一番理解に苦しんだのはサビのメロとコード進行。
サビメロは、よさこいがテーマだし、非常に日本的な音階
ペンタトニックスケールを軸に作られています。
冒頭のサビメロの後ろで鳴っているコードはいわゆる4536進行。
ユーミンの「卒業写真」とかミスチルの「HANABI」等で使われている
ヒット曲に欠かせない超王道な進行です。
一方、1番のサビでは転調していてコード進行も全く違います。
普通は転調とともにメロも変わっているはずなのです。
しかしメロディは移調するでもなく、まったく同じと言う謎。
カラオケのキーチェンジで例えると、元々「ドレミファソ」と歌うメロ
の曲のキーを+5に変えたら当然「ソラシドレ」って歌わなきゃ成立しないのに
何故か「ドレミファソ」のまま歌えるみたいな。
これが最初に感じた不思議な響きの正体でした。
属調への転調で、構成音が1つしか違わないから可能な事
と一応ロジックは解釈できました。
にしても驚くのは、これ程難解な事を違和感なく奇麗に
アニソンとして成立させている事です。
少なくともまぐれで作れる曲では絶対になく、
狙って作ってる田中秀和さん本当にハンパないです。
あにこれで書く事じゃないなーとは思いつつ、
興奮のあまりマニアックすぎる事を書き殴ってしまいました。
どうかお許しを。。
ただの音楽好きの考察にお付き合いいただき感謝します♪