「失格紋の最強賢者(TVアニメ動画)」

総合得点
61.7
感想・評価
237
棚に入れた
819
ランキング
5287
★★★☆☆ 2.8 (237)
物語
2.6
作画
2.8
声優
3.1
音楽
3.0
キャラ
2.8

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ネタバレ

TaXSe33187 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.1
物語 : 1.0 作画 : 2.5 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 1.0 状態:観終わった

原作の雰囲気がしっかりと表現されている

まぁよくあるなろう系のアレ
他の作品との大きな違いはテンプレートの有効活用っぷりが際立つ原作者って点

そもそも原作について軽く触れると、
同じような性格の賢者が、
同じような世界に転生して、
同じように無自覚なまま無双をして、
同じようにヒロインを掻き集める作品を量産することでお馴染みの作家
そしてこの作品はそんな原作者の中でも一番の人気を誇るタイトル
そりゃあキッツい展開が一番濃縮されてるってもの

まぁなろう系は大なり小なりそういう展開があるわけなんだけど、これの何がキツいかって言うと
「淡白な主人公」「周りは自分より劣った存在」「賢者という特性」「無自覚無双」
この点に尽きる

{netabare}淡白な反応をする割に内心は賢者としての自信に溢れていて、力を振る舞う際には相手を扱き下ろすことに執心する
女の子に好意を寄せられる展開はあるものの、あくまでも絶対的な上位から相手を見下ろす関係は変わらない
淡白かつ相手を下等とみなしているため、懐いた相手を道具とすることに疑問を持たない
無自覚無双をウリにした代償として、賢者である主人公は転生後の世界の一般常識を身につけることが出来ない
その結果として賢者という肩書にも関わらず、およそ賢さを感じられない場当たり的な言動が増えてしまう
「とってもかしこい」賢者でありながら常識を身に付けられないので、賢者に知性で劣る敵側は輪をかけて無能にならざるをえない
{/netabare}

紋章の性能やら何やらって設定自体は面白みもあるのに、主人公が登場するだけで見どころが一気に目減りする
なろう系にありがちな「主人公とヒロインさえいなければマシ」という作品
アノス様くらい突き抜けたイキリをみせるか、お兄様くらい淡白さと判断能力が突き抜けていれば印象も違ったはず

作画がどうとか脚本のせいで悪化してる要素は間違いなくあるんだけど、そこを改善して果たして良くなるかというと…
「そこまでやるなら18禁アニメにでもしとけ」みたいなタイプとは違うので視聴は続ける予定
まぁ不快感は薄くともシンプルにつまらないので、早晩飽きて断念するかも

7話視聴
{netabare}なんか思ってたより全然見れるわ
まぁ出来が良いとか評価が上がったとかは全く無くて、「想定通りの底辺度合い」を維持してるからだけど
主人公もメインヒロインも喋るだけで不快になるけど、演出や展開に下品な描写がないから視聴に堪えない場面は案外少ない
スマホ太郎からテンポと面白さを差っ引いてお色気を減らしたイメージに近いかも

気になるのは主人公の活躍度合いかな?
「転生してもう一度鍛える」というストーリーラインに対して「元賢者の圧倒的な実力」という要素が足を引っ張っている
全盛期と比べて弱体化した雰囲気をだしている割に敵の行動は完全に手玉に取っているので、弱体化の行いる?みたいな感じ
逆に、圧倒的な実力であらゆる問題を解決する割に苦労をしているような場面があるので爽快感もいま一つ

トリアージの判断を瞬時に下して大人数の治療に挑む場面も大活躍な割にあっさりしすぎ
主人公以外が治癒魔法をどの程度扱えるか分からないから、何がどのレベルですごいかも分からない
そりゃ陣頭指揮をとって死者数ゼロを達成するのが凄いのは間違いないけど、やってることが普通の治療ってのは…

失われた伝説級の魔法を使って失明や毒から要人を助ける(スマホ太郎)とか、
治癒を得意とする人物ですら延命が精一杯の瀕死の患者を救うことに成功する(孫)とか、
どれだけ凄いことをしたかを表現する方法はいくらでもあるのに、何故か普通の治療をしているシーンしか無い
「最強の主人公」を主軸にしたアニメのはずなのに、活躍の幅が「なんか強い敵をやっつけた」しかないのは引き出しが少ないなと
{/netabare}

最初数話を見たときのレビューでも書いたけど、突き抜けた描写がないとこの手の作品ってやっぱ薄い
主人公の性格にせよ、主人公の活躍度合いにせよ、もっと突き抜けてくれないと退屈さのが現状大きいかな
言動や活躍の規模が盛り上がりきらないので、周囲の持ち上げ方が過剰に見えてしまう
思わず鳥肌が立つような演出で、見ていてドン引きするくらいまでやりきってほしい

最終話視聴
{netabare}前世の俺が作った道具で前世の俺が作った武器を探して前世の俺のパワーで敵を倒して前世の俺が作った物を報酬に貰うオチ
おめーの引き出しには「前世の俺」以外の何も詰まってねーのかと……
「転生した今の自分」だからできることってのはほとんど描かれなくて、結局殆どの展開は「前世の俺」頼り
これじゃあいよいよ転生したこと自体が無意味じゃねーの

まぁ転生の主目的が戦闘力の向上じゃないってのは分かるんだけど、それにしたって転生してから得たものがスカスカすぎない?
というか前世の俺ならどんな敵でも勝てたってことなら転生前に魔族を打倒していればよかったじゃん?
なんというか、前世で丸投げしてた事案のせいで人類単位で存亡の危機に陥ってるから尻拭いしてるだけというか…
自分が放置してた問題を自分で解決してドヤ顔晒すマッチポンプ感があまりにも強い

昔の自分では倒せなかったとか、作った武器を使いこなすには今の紋章が必要とか、もっと色々あるんじゃないの?
戦ってても会話しててもボーッと突っ立てても延々と解説をしてる割に本筋のガバついた部分への言及が薄すぎる

これは単純に設定が甘いとかの問題じゃなくて、シナリオの構成がワンパターン化する原因になっている
現時点での主人公があまり強くない(最強じゃないとは言っていない)って前提と、
前世の俺パワーなら勝てるってのが割と最悪なレベルで相乗効果を生んでいる

主人公がなにか苦戦していたり問題解決に頭を使うたびに「前世の俺の〇〇」が登場するせいで、
以降何が起きても「ハイハイ前世の俺シリーズ待ちね…」みたいなマンネリ感が早々に生まれる
そういう前世の俺シリーズに毎回頼ってばかりで「今の主人公」に繋がる爽快感が皆無になっている

経年劣化や文明崩壊に伴って散逸した武具を、ヒロインの持つ紋章の力で再現するとかやりようはあったんじゃないの?
力を得た代償にモノづくりの技量が落ちた主人公を、付与魔法の力で支えるヒロインって図式にすれば役割も明確だっただろうに…
知識も力も道具もすべて主人公に頼りきりで、ヒロインは結局戦いに参加するばかりじゃ紋章も何もあったもんじゃない

最終話の最後はなろう系お約束の「おれたた」エンドでまぁ想定内
一応自分らの王国を守るとこまでやっただけシナリオ的には纏まってたほうかな?
{/netabare}

総評としては、褒められる要素のはずの設定面が意味をなさない以上見どころはないよねって感じ
半端なイキリと半端な苦戦で突き抜けた部分もなく、全体的に凡庸と言っていい内容だった

{netabare}あと、なろう系じゃ半ばお約束ではあるけど王様暇人すぎない?
いつでもホイホイといち学生相手に謁見するのもそうだけど、気軽にブラブラ宝物庫まで歩いてきて「よっしゃ持ち出し許したる!」はちょっと…
王都防衛って状況下で王様を気軽に出歩かせるくらいなら、普通に王様へ武器借用の許可を取りに行く流れでいいのに
都合のいいとこに都合よく状況関係なく現れて都合のいいことしか言わない王様って、これもう魔族関係なく傀儡化して滅ぶんじゃねーのこの国
{/netabare}

投稿 : 2022/03/26
閲覧 : 261
サンキュー:

4

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