ひろたん さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
柑橘系って、最初に皮に指を立てて剥く時って怖くないですか?
この作品を観るとちょっとやそっとの百合には動じなくなると言いますが、確かに!
文学的な百合と言うより、ドラマ的な百合ですね。
ですので、ドラマチックでインパクトがある展開が多いので印象に残ります。
ただ、途中までは面白かったのですが、終盤の修学旅行のエピソードは残念でした。
ちょっと都合がよい展開と言うか、こじつけすぎな気がしました。
主人公の「藍原柚子」は、さばさばしたギャルです。
少し考えが浅いのですが、純情でまっすぐなのがいいですね。
一方、問題なのが、もう一人の主人公であり生徒会長の「藍原芽衣」。
一見、完璧な優等生なのですが、最初から心に闇があるのが目に見えるキャラです。
この物語は、そんな柚子と芽衣が心を通わせ恋人に発展していく百合です。
ただ、見方によっては、芽衣をヒロインとした普通の恋愛ものとしてもいけます。
闇落ちしたヒロインの心を開かせていく物語には王道の面白さがあります。
■citrus・・・、なぜに柑橘系?
そう言えば、みかん、はっさく、夏みかん、なんでもいいのですが・・・。
柑橘系って、最初に皮に指を立てて剥く時って怖くないですか?
皮が固いかもしれませんし、正直、皮を剥くのが面倒だったりします。
少し剥くと皮から霧吹きみたいに果汁が飛んできますし、目に入ると痛いです。
果肉も酸っぱいかもしれませんし、少し傷んでいて変な味がするかもしれません。
食べてみるまで分かりませんが、ちょうどよい甘酸っぱさなら嬉しいですよね。
実は、この作品の芽衣もそんな柑橘系の香りがします。
最初、柚子の名前からタイトルが「citrus」になったと思っていました。
しかし、私的には、芽衣が柑橘系なんじゃないかと思えてしまったのですね。
芽衣は、皮(ガード)が固そうです。
剥く(心を開かせる)のも面倒くさそうです。
それでいて、いい香りを漂わせていて、一皮剥いてみたくなります。
でも、一度、皮を剥き始めると果汁(暗く冷たい感情)が飛び散ります。
それが目に入り(主人公の心に刺さり)痛い思いをします。
それでも、頑張って剥いて、果肉を食べる(本心を知る)と甘酸っぱい。
そんなキャラなのではないかなぁと思って観ていました。
■まとめ
作品としては、面白い方なのではないかと思います。
ただ、もう少し物語に深みが欲しかったと言うのが正直な気持ちです。