take_0(ゼロ) さんの感想・評価
3.3
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
でかい話のまま終わらせたのはお手柄か、否か。
令和のオネアミス・・・、と安直な表現をしたくなったのはヒミツ。
物語はあからさまに冷戦下の米ソ、しかもソ連側を舞台にしているのは疑いようもない。
そして、実際の宇宙開発の中で起こっていた事実的な事をモチーフにしていることも疑いようがない。
そんな中での、人類初の有人宇宙飛行を目指す国家と
そのメンツの中で翻弄される吸血鬼:イリナ・ルミネスクと教育係を任され、自身も宇宙を目指したいレフ・レプスを中心とした物語。
内容については、観ていただきたいという思いと、こまごまと順を追ってという事はよろしくないという思いから、いつものことながら多くは語らないのですが、今回は最終盤について一言。
{netabare} 物語の中では、次第にイリナとレフが惹かれ合っていく描写があります。それは、見ていてじれったくなる様な、いささか幼い恋心を育てていくようなものなのですが、お互いの始まりと立場を考えれば、それも仕方がないでしょう。
そして、物語の最終盤で・・・もちろん、お互いが惹かれ合っていることについてはしっかりとわかる形になっているのですが、宇宙飛行士同士、今後の宇宙へ向けての思いで終わらせているのは「おっ!?」と思いました。
安易にLOVE方面へシフトしなかったのは珍しい、と。
個人同士のLOVEエンドではなく、でかい話≒宇宙を目指す、で終わっていたっぽく見えたからです。
もちろん、二人の今後的なLOVE~も観てみたかった思いはあるのですが、この終わり方故にサッパリと終わっている印象を受けました。そして、少しのもの寂しさと「おいおい二人はどうなったん?」と言う余韻。余韻?というよりモヤモヤかw
{/netabare}
とにかく、少しだけ「どうせこうなるんやろ」感が裏切られて、意表を突かれました。
作画はとてもきれいだったと思います。
青ブタのキャラクタと似ているような気がしたので、アニメ制作会社やキャラデザさんを観てみたのですが、あまり関係は無いようなんですね。
でも、私的には好きなタイプのキャラデザでした。
視聴するにマイナスになる要素はあまり感じられませんでした。
声優さんは・・・。
爆弾発言をしますが、イリナ・・・林原大先生じゃない方がよかったのでは、と思ってしまいました。
いや、前にも言いましたが私は林原さんは大好きな声優さんで、大昔からレアなビデオも購入し、CDも何枚も購入している大ファンなんですよ。
ですが、今回は少し、そう思ってしまいました。
じゃあ、誰がよかったんだ?という事にもなるのでしょうが、誰かがいいと言う訳ではなく、ポイントポイントでの言い回しが、少しもったりというか、うますぎて違和感と言うか・・・。
可愛らしい点もツンデレも楽しかったんですけどー。
あ~林原さんだなぁと思ってしまったんですよねぇ。
(もしかしたら、これは私側の問題かもしれないので、無礼な話かも知れませんが)。
その他は、安心して観れました。
(いや、林原さんが安心して観れなかったって訳ではないんですよ、う~ん表現が難しいな)
音楽は、OPは映像と絡めてですが、ファンタジー感強めで、ん~と思う点はありました。EDはいい雰囲気で割と好きでしたねー。
キャラクターは魅力的なキャラが多かったと思います。
ヘイトを集めるキャラもしっかりと配置してありましたし、後刻和解をしていくカタルシス感もありました。
ま、ヤな奴はとことんヤな奴でしたけどね。
さてと、この作品を観ていて、また彼の言葉が浮かんでしまいましたw
「国家とか民族とか、くだらないスポンサーをしょって飛ぶしかないんだよ」 byフェラーリン(誰?w)
まぁ、宇宙とかでかい話になればそうなっちゃいますよねー。
と、思っていたら・・・。
皆さまもご存じのとおり、「金」さえあれば宇宙へ行くことが出来るようになっちゃいましたー!!
某前澤さんが行って帰ってきてしまいましたねー(2021.12)
これは、前進なのか、現実的な絶望なのか評価は分かれるところですが、とてつもない「お金」と「意思」があればなんとかなるようです。
もう一つメタな話ですが、
この作品を観ていいて、いかに自分がアメリカナイズというか、自由主義陣営といいましょうか、こっちの思想にしっかりと教育されている事を再確認しました。
この作品の中の偉いさんが言っていることが不快で不快でw。
また、人(吸血鬼だけど)を差別とか物扱いするという点を不快に思うか、と言う点も。
いやー、何が正解かは断言することはできませんが、教育って大事だわー。
なーんてことも、思っちゃったりする。
いつも、私が言うパターンですが、良い作品っていいうのは、色々な要素を含んでいるものです。
そういう意味では、この作品は人類の過去を振り返らせてくれるという意味でもユニークな作品かもしれません。
ちょっと、変わった雰囲気をもった作品です。
機会があればご覧くださいませ。