saitama さんの感想・評価
4.6
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
固定電話時代を知る人には間違いなく心に刺さる名作
自分の中ではうる星やつらが一番だけど、大人になって見返すと、めぞん一刻の素晴らしさを再認識する。
いま見直すと、当時のキティ・フィルムとディーンは丁寧な作品つくりしていたんだなぁ…。セル画時代なのに…。全96話。その期間の長さを考えると作画レベルも本当に高い。
いまのアニメのようにバンバン動くわけじゃないのに、画と音にどんどん引き込まれる。
カット割り、音楽の入れ方、すべてが白眉な作品。
映画を見るような作品の回がいくつもある。
現代のように1クールベースでの仕事じゃないから、取り組み方やスタッフィング、個々の才能や知見もまた違っていたんだろう。
当時はつまらなかったと感じたなのに、27話なんて大人になって見返すと、心への刺さり方がヤバい…。
電車通過、外灯、風、音楽…心を揺さぶる演出とはこういうものだ! というお手本みたいな回。
歌詞内容は実は場面と合っていないのだけど(少し合ってるか…、でも歌詞が暗すぎる)、雰囲気として最高にマッチしている、最期の「アローン・アゲイン」が流れた瞬間、鳥肌が立った…。この選曲をしたセンスが凄すぎる。
ただ、自分もそうなんだけど、これってポール・マッカートニーが歌っているものだと思っていたら、ギルバート・オサリヴァンなんだよな…。
なんにせよ、この作品の素晴らしさを本当に理解できるのは、固定電話時代を過ごしたことがある人だろうな…。携帯時代、そしてスマホ時代に生きているいまは、たぶん、いろいろ理解できない場面も多い。
アニメは途中主題歌が変わり全96話。主題歌も大ヒットした。
最期、どうなるか、そこまでのとにかくじれったい人間模様の停滞も含め、時間ある人にじっくり観てほしい作品。 1970~1980年代の日本の社会描写という意味でも歴史に残る作品だと思う。
原作、また全巻買うか…。