nyaro さんの感想・評価
3.4
物語 : 2.0
作画 : 5.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
「宇宙の戦士」のファン向けですね。面白いですがお勧めはしません。
本作をレビューされている方がいたので、なるほど、これもアニメだったなあと思い便乗で。
映像はなるほど1作目のスターシップトゥルーパーズですね。映画版より宇宙の映像がちょっとシャープさがたりませんが、遜色無いできですね。そして、降下艇はエイリアン2張りの出来でした。
全体的に予算の関係か解像度と作り込みが不足気味ですが、ほぼ映画クオリティに近いでしょう。
ジュラシックパーク以来、ハリウッドの特撮って本当の理想は「完全に架空の映像」=なんでも発想次第で自由に画面が作れる=アニメですからね。つまり時代が進んでハリウッド映画がアニメ化すると同時に、アニメが映画化して区別の基準が人間がいるかいないかだけになってきましたね。この脚本で映画でもいいわけですからね。
本作を見ると少なくともSFにおいては、実写と3Dアニメを区別して語る必要はないなあ、という認識を持ちました。
本作の立ち位置は続編です。しかも、前の話を見ていないと分からない類の完全な続きでした。オリジナルのスターシップトゥルーパーズは邦題「宇宙の戦士」ロバートAハインライン原作の小説をもとにしたSF映画です。
作中でてくるパワードスーツは機動戦士ガンダムの原型になったと言われている、超有名作品です。パワードスーツはもともと小さいガンダムみたいな造形だったですが、本作では少し宇宙服的になっていましたね。ハヤカワ文庫の原作には図解が載っていました。1979年の神矢みのる氏の読み切りマンガ「ラストチェイス」の方がパワードスーツの造形には近いでしょう。後継としてはアニメ「METAL SKIN PANIC MADOX-01」でしょう。OVAですけど。
なぜか映画版のスターシップトゥルーパーズではパワードスーツを着ていないのがものすごいストレスでした。
本作の背景です。もともと宇宙の戦士って、軍人の哲学というか、右翼傾向の政治思想のある話だったと思います。ですので、原作では恩師の哲学の先生との関係が重要だったり、戦う意義のようなものが主張されていました。そもそも機動歩兵部隊は男ばっかりでしたね。
さて、本作の内容そのものはこの宇宙の戦士、あるいは映画版スターシップトゥルーパーズを知らないとなんのこっちゃ、ですね。まあ、ストーリー展開は面白くなくはないけど、2度と見ないだろうなあ、というレベルです。考察する気にはなれません。一種のファン向けの後継作でしょう。
私は原作も1作目も好きなので、あの青い光を見るだけでときめきます。楽しみました。ですが、作品に想い入れが無い人にはお勧めできません。