STONE さんの感想・評価

3.9
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 5.0 音楽 : 3.0 キャラ : 4.5 状態：観終わった

大空 直美の魔族キャラは当たり役が多い

　原作は未読。
　設定や世界観などの図式はそれほど目新しいものではなく、「侵略イカ娘」、
「邪神ちゃんドロップキック」、「はたらく魔王さま！」、「ガヴリールドロップアウト」、
「まちカドまぞく」の各要素を混ぜ混ぜすると出来上がるような印象。
　基本的にはギャグものによくある一話完結の話が続いていくが、全体を貫くストーリー性も
ちゃんとあったりする。

　キャラがとにかく魅力的で、その筆頭が主人公であるジャヒー様。
　傍若無人に振舞おうとするが、随所に優しさが感じられ、この辺がとにかく好感が持てる。
　この辺は生来のものなのか、人間界に来て変わったものなのか。
　魔界の頃の描写を見るに、この頃は傍若無人な感じがするが、性格の根本的な部分が
そう変わるとも思えないし。
　魔界の頃は威厳を見せるために演技をしていたのかも。

　ジャヒー様に関しては大人と子供の二つの状態があり、この辺の図式自体は魔法少女ものの
一つの型としてよくあるもの。
　それらの作品の多くは子供である主人公が大人に変身することが多く、見た目は大人に
なっても精神は子供のままであるため、そのギャップ感が面白味の一つであったりするが、
本作は逆に大人が子供になるもので、子供状態になってもその精神性にあまり違和感が
ないところがおかしい。元々、精神年齢が低いのかな。
　他のキャラも魅力的で、ストーリー上いくつもの対立概念があったにも関わらず、
終わってみると皆いい人(もしくは魔界人)という印象。

　個人的にはキャスティングがいずれもドンピシャというイメージで、特にジャヒー様の
大空 直美の起用はジャヒー様の魅力に相当寄与していた印象。
　キャストネタとしてはジャヒー様(大空 直美)とドゥルジ(花澤 香菜)のコンビのキャストが、
「ガヴリールドロップアウト」のサターニャ(大空 直美)とラフィエル(花澤 香菜)のコンビと同じ。
　ジャヒー様に心酔しているドゥルジに対して、サターニャをおもちゃとしていじりたおす
ラフィエルと、花澤キャラの大空キャラに対する態度は正反対とも言えるものだが、結果として
大空キャラが花澤キャラに苦労させられるという点は同じというところが面白い。

　最終話は皆で花火を見るという締め。
　この手のコメディ系や日常系のアニメオリジナルの最終話は皆で花火を見たり、花見を
するのは定番といった感じ。

2022/01/30
2024/04/21　加筆・修正