ようす さんの感想・評価
3.8
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
あなただけは守り抜く。そのために私は生きているのだから。
「GUNSLINGER GIRL(ガンスリンガー・ガール)」の2期です。
1期は主要キャラである女の子たちの掘り下げ、
2期はテロリストとの戦いの物語が進行します。
1期から制作会社が変わり、
キャラデザや声優も一新されています。
1期だけで物語はまとまっていたので、
2期の視聴は迷っていたのですが、
物語は2期の方が楽しめたので、観てよかったです。
2期は全13話です。
● ストーリー
イタリア政府が、障がい者への様々な支援を行うという名目で設立した「社会福祉公社」。
その実態は、重体の患者(少女)に義体を与え、条件付けと呼ばれる洗脳で過去の記憶を消し、公社と担当官に対する絶対服従を命令するもの。
そうして義体の体を手にした少女たちは、
担当官を守り、命令に忠実に暗殺等の政府の闇の仕事を遂行する。
殺すことに何の抵抗も後悔も持たない。
ただパートナーのために、銃の引き金を引く。
それが自らの生きがいだとして…。
1期は社会福祉公社で活動する少女達について、
一人ずつ時間をかけて掘り下げられていましたが、
2期は犯罪やテロによってイタリアを恐怖に陥れる、政府の敵にあたるテロリスト集団“五共和国派”との戦いが軸となっていました。
その中でも、殺し屋のピノッキオという青年の物語が主軸となります。
今までは社会福祉公社目線で物語を観ていたのが、
ピノッキオ側目線のエピソードも多く、
戦うどちらの側の想いを知っているがゆえ、どちらが正義と決められず、複雑な気持ちで戦いを見守ることになりました。
ピノッキオは、命の恩人であるクリスティアーノのために殺し屋としての腕を磨いて戦い、
社会福祉公社の女の子たちは、大切な担当官のために戦う。
1期では女の子たちの、何も感じず人を殺す様を見ながらも、
任務が無事に遂行されると、うまくいってよかったと、
ほっとする部分があったのですが、
2期ではピノッキオの想いを知っているからか、
女の子たちの任務が失敗することをどこか願っていたりもしました。
むしろ、ピノッキオとクリスティアーノの絆を引き裂こうとする、
社会福祉公社側の方が悪者にさえ見えたり。笑
正義はどちらにあると簡単に決められるものではない。
ただ、お互いに自分の守りたい人たちのために戦っただけ。
1期は、少女たちに対して“やるせない”という想いが強かった。
その思いは2期も変わらない。
それに加え、他のキャラに対しても、同じ気持ちを抱きます。
だからなのか、2期は見ていて、もやもやします。
でも、このもやもやした複雑な気持ちが胸に残るのが、
この作品の魅力なのだろうと思います。
切なく、やるせないドラマが多い作品でした。
● 作画・声優
製作会社が変わったこと、1期の製作から時間が経過していたことなどを理由に、一新されています。
作画は1期の方が好みでした。
ヘンリエッタなど、1期の方が可愛かったなあと思うキャラが数人。
声優さんも、1期の方が好みだったなあと思うキャラが数人いましたが、
ほとんどは違和感なかったです。
この作画と声優の変更を、
1期のファンの方がどう受け止めたかで、2期の評価も変わりそうですね。
● キャラクター
ほとんどは1期と変わりません。
1期ではヘンリエッタ&ジャンがメインでしたが、
2期は出番がぐっと減っていたように思います。
代わりにピノッキオに対して執着するトリエラの活躍は増えていました。
個人的に一番好きなのはヘンリエッタ&ジャンさんでしたが、
2期のヘンリエッタはいまひとつ…。
1期の方が作画的にも性格的にも可愛かった気が。笑
● 音楽
【 OP「たった1つの想い」/ KOKIA 】
この曲は名曲です。
この作品を見ていなくても、
聴いたことがある人もいるかも。
作品にぴったりだし、
大好きな曲です。
【 ED「doll」/ Lia、多田葵 】
歌い手は、話によって変わりました。
麻枝准さんによる作詞作曲なので、
key作品感が増します…。笑
13話のED「human」も好きでした^^
● まとめ
何が正義なのか、何が正しいのか。
この作品を見ているとわからなくなりますね。
だってみんな間違ってないんだもん。
やり方は他にあるとしても。
間違っているのは、
そんな人たちに武器を手にさせる社会の方なのだろう。
自分の大切な人が辛い思いをしないように、
武器を手にして戦う。
そんな必要がないように。
少女たちは幸せだ。
大切で守りたい人のために戦えるから。
でも、もっと違う形での幸せが、
少女達にはあってほしいと願うばかりです。