nyaro さんの感想・評価
4.2
物語 : 5.0
作画 : 3.5
声優 : 4.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
かなり面白いストーリー展開です。ただ原作通り過ぎで…感動が…
かなり面白いです。既に1クールが多くなっていた2011年に開始したアニメで3期までしかも全部2クールで作られているという怪物作品です。映画も評判良かったみたいですね。制作もテレビ局みたいですね。
若干構成が違いますが、ほぼ原作準拠です。演出が華やかですし、何より「読み」が重要な要素ですので、アニメならではの楽しみがありましした。
本作の凄いのは、スポコン的な部活としての部員集め、練習と強くなるプロセス、理由といったストーリーのボディがしっかりしていることです。この幹となる部分がテンポ良く丁寧に描かれていました。
加えて、競技のルールやウンチクが詳細なのはもちろんですが、強さの部分で「音」「感じ」「スピード」といったキーワードにこちらの五感に訴えてくる説得力があります。相当丁寧に取材したんでしょう。
競技かるたをテーマにしているので、男女が同じフィールドで絡むのも目新しいです。そして幼馴染からのラブコメ的な三角関係のストーリーがある、それぞれの事情からのモチベーションの問題など、男女・家族問題など並行していろんなヒューマンドラマの要素も添え物ではなく、キチンとストーリーの主要な要素になっていました。
キャラ設定も主要キャラの他、サブキャラたちにデフォルメされた性格付けがなされていて、それぞれがエピソードを持ち物語に絡んできます。
女性作家ならではの視点、着物はかま姿が華やかなのもいいし、主人公が残念美人という設定ですね。そして、お決まりですが美人モデルの姉との対比でヒロインの個性を浮き彫りにする手法も少女マンガ的でした。
また、ちゃんとストーリーに「ストレス」があるのはいいですね。今はこの「ストレス」が敬遠されがちですが、やっぱり挫折や障害がないと物語は盛り上がらないと思います。少女マンガ的な遠慮のないこのストレスが物語をより深く面白いものにしていました。
ギャグもきちんと面白かったと思います。
と言うように、ストーリーとして特にこの1期は本当に最高の出来だったと思います。原作を3巻くらいまで読んだときに止まらなくなって、アマゾンでは届くのが待ちきれないので本屋に駆け込んで20冊くらい買った記憶があります(当時は電子で読むという発想が無かったのが不思議です)。こんなのは「ガラスの仮面」以来ですね。
とにかく面白い…特に20巻くらいまでは最高でした。ただ、変な言い方ですけど原作の衝撃がすごすぎました。原作通り過ぎて、アニメの感動は薄かったです。
アニメならではの作画とか音楽の部分がちょっと残念だったせいもあるでしょう。