まつまつ さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
映画は90分に限るに激しく同意
映画は90分の作品が良い。
これは良く分かる。
長い映画が好きな人は沢山いるのだろうけど、
自分としては2時間以上だとなかなか集中力が持たない。
そして日々仕事や生活を送っている中で2時間以上の纏まった時間をとれる事もそんなにない。
自分がアニメを観始めた理由も1話30分で空いた時間に観る事が出来るというのがそもそものきっかけだった。
タイトルには敏腕映画プロデューサーであるポンポさんの名前が掲げられているが、実際話の中で最も焦点が当たるのはポンポさんのアシスタントであるジーンだった。
ジーンは子どもの頃からひたすら映画を観続けてきた生粋の映画マニアで映画監督を夢見る根暗な青年。
ポンポさんは新人女優のナタリーと伝説の俳優マーティン・ブラドックを起用した新作映画「MEISTER」の監督にジーンを抜擢する事から話は動き出す。
ポンポさんはプロデューサーとしても敏腕だが上司としてもかなりやり手、
人使いは荒いが、ジーンの才能をちゃんと見出し、良い物は良いと褒める。
アドバイスもするし、ジーンの追加撮影というとてつもなく無理な依頼も良い作品を作る為に、公開延期、スポンサー降板、予算不足でお蔵入りかもというあらゆるリスクを覚悟したうえで承諾するとは映画作りに対する情熱も去る事ながら、ここまでしてくれる上司と言うのもそうそういない。
それだけに部下としては上司がここまでやってくれるなら頑張らなくてはというモチベーションにも繋がる。
現実にはそうそういないだろうなぁこんな上司。
自分もとてもそうはなれない。
ジーンの同級生アランの話の展開もよかった。
学生時代からジーンとは対照的なリア充男子で現職もエリート銀行マン。
しかし現実は思ったような仕事が出来ず目標も持てず壁にぶち当たり挫折寸前の日々。
学生時代までは何でも卒なくこなし順調に行っていた人間が社会に出て初めて壁にぶち当たると挫折も大きいのだろうなぁと言うのは良く分かる。
出張先で偶然、映画の撮影をしているジーンを見かけ自分の夢を追い続けそれを現実にしている姿を見てアランは更に落ち込んでしまう。
上司に辞表を出そうとした時に資金難で融資を依頼していたポンポさんの会社の案件が目に留まり、ボツ案件になりそうな所をジーンの力になる為にもやりたいと申し出る。
融資が出来るか厳しい条件の中、奇抜なプレゼンで見事に融資を勝ち取り、無事ジーンの映画は公開され大ヒット。
初監督作品でニャカデミー賞総ナメは出来すぎだけど、とても爽快な気分にさせてくれる作品だった。
映画製作の裏側の話ではあるが、撮影より何よりもっとも大変なのは編集なんだというのは本当に良く分かる。
膨大な時間を掛けて撮影した映像を限られた時間に纏めるのは本当に苦肉の作業だと思う。
編集や監督は撮影が終わってからが本番なんだろうけど本当に身を削る思いで作品を創っているのだろうなというのが良く分かった。
仕事の大変さ面白さを知るという点でとても楽しめた映画だった。