まにわに さんの感想・評価
3.2
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
地球の縁でスカベンジ
ポスト・アポカリプスでも通りそうな荒んだキャラたち。
考えさせられはする。
面白くはない。
3話: {netabare}バカでないと成り立たない話かと思いきや、生死の境界が曖昧ならばどうだろうか? そのためのどうでもいいような保険勧誘で、自分が死ぬとは思っていない、死を身近に感じたことがない・現実感がない、近親者で誰も死んでいない(死んでも隠されて過ごしてきた)、生きている実感もない、価値観が狭い、若ければそういう奴がいてもおかしくないが、近未来ではザラという設定なのかも。
遺体を宇宙に返す根拠は、宇宙葬"廃止"というすごく曖昧な言い回し、この1点に掛かっている。
遺体を地上に持ち帰る根拠は、タナベが主張するものだから納得しにくいが、唯一あるとすれば、それが棺桶型の遺言状だからだろうか。50年越しの遺体付き遺言状などもちろん迷惑でしかないが、ゴミ捨て場で遺言状を拾ったら処分に迷うところ。前半のような保険屋なら、金づるになると思って権利者に届けるだろうが、彼らの存在も回収を納得しづらくさせている。
えげつない。{/netabare}
見終わって: {netabare}1話の感想が、こいつにだけは命を預けたくない、だったので、この設定で面白くなるはずもなく。
序盤は、ポストアポカリスク+スカベンジのゲームにどハマリしたこともあり、そういう見方で乗り切り。
ひょっとすると『白痴』なのではないかと思い始めたのが4話あたりで。
『白痴』は昔読んだものの、どんなエピソードがあったかもほとんど憶えておらず、しかも最後まで読んでいないという有り様で。
唯一憶えているのが、たしか、持参金を燃やすエピソードで、これに相当するのが6話の見合いと火事で、5話ではお馴染みの娼婦役も登場しているが、ほんとうに『白痴』かどうか確信に到らず。
前半で一番よかったのは、7話の水着と宇宙服の対比で、海水浴が理想として描かれているのがよかった。
ところが、13話で残念なことがあり、7話が地上を描かないからこそよかったのが、海洋汚染と海面上昇で砂浜がないのかと思ったら普通にあるし。
まあ、形見が壊れて残念という話だからちょうどよいのだけれど。
そういう見方が正しいのかどうかもわからないのがまた残念。
埒が明かないので、折り返しにて『白痴』についてちょっと調べてみた。
ここのレビューを絞るが有効なら、白痴の文言は見当たらないし、ちょっと検索しただけだと両者に関連はなさそう。
ただ、『白痴』のあらすじには、誰が誰とみたいな説明がずらりと並び、如何にもラブコメの様相。(内容を憶えてないはず)
簡単に言うと、誰かを殺すラブコメで、ここまでのちょくちょくイチャつき、いつ誰が死んでもおかしくない設定から、これが『白痴』なのも十分ありうると考えられるわけで。
以降は、誰が誰を殺すかの興味で見た。
木星行きがとても本題とは思えないなか、
24話(と21話):21話が大河内の好きそうなクズ処理で、壊していいものにしておいて壊すとか、それを別の誰かの価値観でやるとか、それがまた4話で出てきたクズを相手にぶち上げた価値観だとか。
これと同じことを24話では主人公でやっていて。脱出する必要をなくしたうえでの遭難で、進むか止まるか、ハチマキのほうの決着をつけていないから、状況的にはどっちつかず。だからわざと曖昧に情報を少なくしてると思うが、白か黒かで言うと、この月面のように一面のグレー…というか判断材料なんてないほぼ無色透明。もっと言えば、この作品ではほとんど地球のことが描かれないから、表面が透明で中身が空っぽの世界。
2話OPの時点で怪しかったのが、地球→月→星座?だから、この設定で神話時代の宇宙観でやるつもりなのかと。
これで、何を見させられているのか、と思わせたいのなら成功しているわけだが。
結局、『白痴』かどうかはわからずじまい。殺して流刑地に行くのが、殺さずに木星に行くになる。その代償がタナベの後遺症なのは別作品っぽいが、一方で刑務所に入った者もいる。最終話のOPで、→星座?のところが→銀河になっているから、番外編扱いと考えると、十分ありうると思うのだが?
ついでに、最終話のルナリアンの使い方はよかった。後半でよかったのはここだけかも。
ハキムに理由がないあたりで、想像を促してくれるものがあるが、じゃあ先にこれをやっとけばというものでもなく、つまりはそういう話ではないのがわかる。{/netabare}