りんでんがるど さんの感想・評価
3.7
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 2.0
状態:観終わった
面白いがキャラクター達に問題あり
2期の情報を得てもう一度視聴しました。面白いです。個人的に話のテンポが良く、とても観やすく、あっという間に時間が過ぎたアニメでした。
しかし問題があります。キャラクター達自身がこの作品の足を引っ張り、もっと面白くなったであろう盾勇が勿体ない作品になってしまったことです。
岩谷 尚文
この作品の主人公、大学生20歳。メルロマルクという国に四聖勇者のうちの一人である盾の勇者として召喚されます。しかし、尚文は不遇な扱いを受けます。国王は露骨に無視をし、現実世界のゲームでは盾の役職は負け犬と他勇者から言われ、国が用意した仲間はほとんどパーティに入らず唯一入ったのは第一王女マルティのみ。挙句の果てには、そのマルティに冤罪の罪を被らされ強姦魔としてレッテルを貼られ、国から迫害されることになります。尚文は彼らへの怒りを復讐心に変え、ここから成り上がる。
ざっくりですが主人公尚文の説明です。次の話をするのに基盤は必要かと思いました。(以下私が問題のあると思ったキャラクターのみ紹介しています)
天木 錬
尚文と共に召喚された勇者の一人です。剣の勇者で、見た目や雰囲気だけ見れば、二刀流の剣士を彷彿とさせるのですが、とにかく上から目線です。召喚されて、すぐさま命令口調で交渉を始め出します。愛着の湧くキャラではないが、召喚された四人のなかで一番順応性が高く、行動が早いので頭がキレるという印象を受けました。しかし、ある一件で印象はガラッと変わります。
{netabare}尚文がラフタリアとフィーロという仲間が出来た後の話になります。尚文たちが旅の途中、病に苦しむ人たちを発見します。どうやら、一ヶ月前に討伐されたドラゴンの死骸が原因らしいです。ゾンビ化したドラゴンを討伐し、なんとか村を救います。その元々の発端になったのが錬です。錬はこの世界がゲームと全く違わないと思っていたらしく、死体は勝手に消えると思い込んでいたらしいです。事後、尚文にその事を知らされた時はショックを受けていました。本気で自然消滅すると思い込んでいたのでしょうね。しかし、傲慢な上から目線は治りません。性格上仕方のないことですし、実践の際に反省を活かしていたら問題はありません。その後、波と呼ばれる災害を四人の勇者で対抗することになるのですが、尚文を除く四聖勇者で仲間割れをします。この瞬間、終わったと思いました。上から目線で接していましたが、裏ではドラゴンの一件を悔いて、少しは成長していたことを期待していたのですけど…。それで、尚文を上げるためのかませ犬の一人として成り上がってしまった錬ですが、やはり勿体ないです。頼りになる人物と思えるような場面は多々ありました。始めは、気持ちの悪いくらいの順応性を持ち、尚文もいまいち掴めないやつだと思っていたが、仲間として少しずつ不思議な関係が成り立っていき…というような事にもできたはずです。成り上がり要素を強くしようとしすぎて、尚文の周りのほとんどのキャラクターが尚文に敵意を向ける状態にしたのは良くなかったと思います。現にそれが原因で、頭のいいイメージから馬鹿というイメージに変わりました。{/netabare}
北村 元康
尚文と共に召喚された勇者の一人です。槍の勇者で、楽観的な考え方を持つ人で、女たらしです。パーティは女性だけで構成されており、ここだけで言うと尚文よりもなろう系主人公って感じですね。人の意見に流されやすいですが、問題が女性についてとなると自我が強くなります。印象はムードメーカーのような存在でしょうか。
{netabare}尚文たちが除草剤を必要とする村があると聞き、商業のため出向くことになります。しかし、その村はもはやモンスターに襲われているのかというほどに植物が村中に蔓延していました。その植物が原因で土地の栄養が吸い取られ村の絶滅の危機に陥りますが、尚文たちが根源を破壊し平和が訪れます。この事件の発端となったのが元康です。先程記述したように、他人に流されやすい彼は、仲間のマルティの助言に従い、飢餓に苦しんでいた村に種を埋めます。一時期村では食糧問題が解決したものの、後によりひどい状況になってしまっているのですし、そもそも埋めた種は封印されていた邪悪な種でした。この事を尚文から知らされた際はあまり信じておらず、どこまでも女性が一番らしいです。波の際には仲間割れをしており、どこまでも尚文の足を引っ張るかませ犬です。しかし彼は剣、槍、弓の三人の中で一番印象に残っている勇者です。マルティ、ラフタリア、フィーロ、この三人に関わる事件には三人の中で、誰よにも首を突っ込んでいます。馬鹿で流されやすいため、マルティにも利用され、尚文とはいつも敵対関係にある印象です。トラブルを持ってくる役割として彼はピッタリですので、彼はこのままでいいと思います。{/netabare}
川澄 樹
尚文と共に召喚された勇者の一人です。弓の勇者で、まったりとした性格です。人一倍に正義感が強く、裏では勇者であることを隠して悪を裁くなどといった行動をしています。自己顕示欲が強く、自分の行う正義に酔っている。
{netabare}ある国の民がメルロマルクに無断侵入し、物々交換をしていたところに尚文たちが出くわします。尚文たちは炊き出しをしながら情報を書くことになります。それが悪評だった国王にレジスタンスが反抗し、見事にレジスタンスが勝利するも、より重税がかけられ以前よりも酷い状態になったという。そのレジスタンスに加担したのが樹です。樹は正義に従いレジスタンスを手助けしましたが、その後のことはお構いなしに移動してしまいます。それで、より多くの重税が課されるになったわけですから、樹がただ自分の正義に酔いしれた馬鹿という印象が残りました。仮にも自分の非は認めず、尚文にも傲慢な態度を示しています。{/netabare}
仮に原作でこの後、この三人の成長が見れるとしてもここまで同じようなキャラを作る必要があったのかは、やはり謎です。特に錬と樹は似ている部分が多く、存在感の強い錬が先で、樹が後のような印象があります。成り上がり要素を出す為に尚文を突き放すだけなら、ここまで馬鹿のような行動をさせる意味もいまいちわかりません。それとも他勇者の成り上がり要素を出すためにわざとやっているのでしょうか。
ここまでこんなに書きましたが、素直に話の続きはとても気になります。楽しみです。今後の展開に期待しながら待っています。