shino さんの感想・評価
3.8
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
疾走するミノタウロス
松本大洋原作、STUDIO4°C制作。
暴力と退廃が蔓延る宝町を舞台に、
縦横無尽に滑空する二人の少年クロとシロ。
宝町の再開発を名目に、しのぎを狙い、
海外からギャングたちが、やって来る。
乱雑に密集した昭和感ある都市空間の中で、
独特な描線と魚眼レンズのようなカメラワーク、
疾走する少年たちの、躍動感溢れる描写が、
この時代では、稀有な印象だがかなり楽しい。
天真爛漫で無邪気なシロと、
容赦のない暴力性で生活を立てるクロ、
子供が持つ二面性を象徴しているのでしょう。
変わりゆく町で生き抜くことが出来るのか!?
{netabare}やがて大きな事件に巻き込まれ、
二人は精神のバランスを崩していく。{/netabare}
ここはよく知る、地獄である。
{netabare}少年が抱く、誰にもわからない痛み、
どうしようもない行き止まりなのである。
闇こそが濁ることのない純粋なもの、
イタチとは悪意を具現化したものでしょう。{/netabare}
題材はよくあるものですが、お勧めしたい作品です。