ハニワピンコ さんの感想・評価
3.8
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
二日連続の衝撃に負けた
放送時は見ていなかったが、めちゃくちゃ面白いと聞いて視聴。こういう会話系サスペンスは好みなので毎話毎話楽しんで見れた
普通に物語を展開しながら、真っ当に伏線を張り、真っ当に回収していく作品
洋画の"伏線回収が凄い!"とか、"どんでん返しを謳ってる系"って「実は最初からこうだったんだぜ」ってのが多かったので、逆に新鮮だった
↑これ、最終話見る前にウキウキで書いてた感想。見事にひっくり返されたね。マジで気付かなかった。これもまた「実は最初からこうだったんだぜ」系でした。でも、この作品は、途中に出てきたキャラを使い捨てすることが全く無く、ここまで繋げてくるかと思わせる作品だった。しかも、その繋げ方が、サラッと張っていた伏線を1からセリフで説明させずとも理解しやすい形で自然に介入させたりと、とても上手い仕様だった。その点では、後出しとも言われかねない「実は最初からこうだったんだぜ」系とも一線を画すと思う
余談
※とあるデビッド・フィンチャー作品のネタバレあり
{netabare} この作品の最終話を見る前日に『ファイトクラブ』を初見した。めちゃくちゃ面白かった。そして次の日に『オッドタクシー』を見た。自分の今目の前に写ってる物がホンモノかどうか疑わしくなりました {/netabare}
ここまで手放しで褒めてたけれど、正直「最終話見るまでに書いた感想」の熱のまま最終話を見終えたかと言われれば微妙
まず、ラストの真犯人の存在
自分は、矢野のマッチポンプ辺りを予想してたけれど、矢野は予想よりもずっと小物だった。それまで、ヤクザ関連で色々と起こっていたと思ったら、実は一人の少女の手のひらの上でしたってなんか釈然としないかな
もちろん、これも謎として物語の一つにしっかりと組み込まれて、車内カメラの映像とか、タクシーにGPSを仕込んだ犯人とかの伏線があったけれど、ヤクザ関連と一人の少女のスケールの違いとなると、小さく見えるのはしょうがない。それを黙らせる伏線がアレばこういう意見も出なかったかもしれないけれど、監視カメラに関しては、ラストにチョロっとだけだし、そもそもちゃんと写ってるかも不明。GPSに至ってはかなり運ゲーかましてるように思える
そしてラストの後日談も、終始小戸川を狙ってた奴も何故か普通に社会復帰してるし、漫才コンビも普通に復活してるしと、特に銃持って暴れた奴は何でラスト自殺しそうだったのに、普通に生きて普通に生活してるのか読み取れなかった
良いラストではあったけれど、そこらへんのモヤモヤがあってイマイチ締まらなかった
それと、「~かよ」「~じゃねーんだから」みたいな90年代の洋画を彷彿とさせる会話を行っていたけれど、それをツッコミで説明してるのはザ・日本の寒いコントみたいな感じで自分は嫌い
良い作品ではもちろんあるけれど、そこまで話題になってないが故の過剰な持ち上げを少し感じた作品
大どんでん返しは確かに全く予想出来なかったけれど、ネタの箱が開けられてタネが明かされてみれば、よくある8.90年代のクライムサスペンス映画の設定で、見慣れていたと言えば見慣れていたことはある
そこの展開一発勝負の作品では無く、中盤までの会話劇にも魅力があった作品だというのももちろん分かってるけれど、前半 中盤のこのキャラがここに繋がってくるのと驚かされてとても楽しめて好きだったからこそ、ラストの大展開に期待するのも当たり前という事で
この作品は、キャラとキャラの横の繋がりと会話劇を楽しむ作品で、あまりどんでん返し どんでん返し言われない方がいいと思う
さいごに
{netabare}
個人の問題で、これを主旨にして語るのも作品に対して申し訳ないので控えたかったので最後にぼやくけれど、正直この作品をそこまで好きにならなかった理由をハッキリ言ってしまえば、最終話視聴前に『ファイトクラブ』を観てしまってその衝撃と比べてしまった。これに尽きる
オッドタクシーの感想なのでこの映画について語るのもアレなのだけれど、とにかく全部面白い。仲間が集まっていくワクワク感 集まってさあ何をするからの急展開
二日連続でどんでん返し系(しかも結構似てる)を見てしまったが故に優劣を自分の中で勝手に付けてしまって、このような感想になったのだと思う
※上記した感想を全て否定するわけではもちろん無く、ラストの展開に満足していないのも、世間の評価よりも自分の評価は低いというのも事実である。然は然り乍ら、こういった感想になった一部の要因として考えるものを挙げただけ
{/netabare}