ひろたん さんの感想・評価
4.0
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
ヒロインの中二病は、見ていてとても「痛い」が心の傷はもっと「痛い」ものだった・・・。「痛い」の「痛い」の飛んでけ!
中二病で恋かぁ、これまた痛くて面倒くさそうだと思い見送ってきた作品でした。
しかし、序盤は、痛いけど、王道の日常系「ドタバタ」コメディで面白かったです。
これが、「ラブ」コメディに変わるのは後半からです。
結局、最初の心配は杞憂に終わり、すぐに作品に入り込むことができました。
「中二病」は、普通は、その恥ずかしさに気づいて高校に入るころには卒業します。
主人公は、その黒歴史を封印し、まるでなかったことのようにします。
しかし、ヒロイン六花は、なぜかその「中二病」が治りません。
最初はそんな六花が主人公の黒歴史をほじくり返すだけのコメディだと思いました。
しかし、物語が進むと六花の「中二病」が治らない原因が分かってきます。
と、同時に六花に対する同情とこの物語への見方が変わってきます。
六花が探し求める「境界線」の向こう側には何があるのか?
六花が「管理局」と呼ぶ"それ"は、なぜ六花を妨害するのか?
六花は、物語の最初からこのことをしきりに言っていました。
しかし、ドタバタの中で「中二病」の痛い発言だと思い軽く聞き流していました。
でも、実は、それには大きな意味があったというのが面白いところでした。
「中二病」は、本当は病気なんだと思えば温かく見守りたくなります。
「true tears」のように泣けなくなる、「ここさけ」のように喋れなくなる。
「中二病」も似たようなものです。
過去の出来事によるトラウマやPTSD(心的外傷後ストレス障害)の一種。
自分の心を守ろうと思って出した答えのようなものです。
六花の「中二病」は、見ていてとても「痛い」です。
でも、そんな本人の心の傷は、もっともっと「痛い」ものでした。
主人公は、はたして「痛い」の「痛い」の飛んでけをしてあげられるのでしょうか?
後半の展開に注目です。
作画はとても綺麗でした。
特に背景美術は、保健室の薬棚から風景に至るまで細かなこだわりが見て取れます。
キャラデザは、よく見る京アニ顔って感じですが、可愛いから問題なしです。
このキャラは、まばたきをよくするし表情も豊かなので観ていて楽しいです。
また、スカートがすごく短いのに太ももを太く描くのは京アニらしい魅力なのか…。
ちなみに私の好きなシーンは、OPのサビで六花が指をくるくるしているところです。
タイトルで食わず嫌いしていましたが、結果的には面白い作品だったと思います。